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これだけはみておこう! 必見映画選


イメージライブラリー・ニュース別冊号 これだけはみておこう!必見映画選

ここには映画史上重要な作品だけでなく、芸術として特筆すべき作品、実験精神にあふれた作品、デザイン的に優れた作品など、<ムサビで学ぶみなさんにぜひ観ていただきたい作品>というテーマのもと、イメージライブラリーの所蔵作品からピックアップして掲載しています。
17000作にも及ぶ収蔵作品の中から作品を選抜するのは非常に難しく、ここではあえて一人の監督につき一作品、または大きなムーブメントのなかでの代表作を一点といった要領で大きく絞っています。これらはこれから映画を観ていくための地図として、または一つの指針として活用していただけるのではないかと思います。このリストにある作品をすべて観てみるのも良いでしょうし、これを足がかりにしてさらに開拓するのも良いでしょう。新しい映像体験を求めて、ぜひ映像作品の世界に一歩踏み込んでみてください。

・本学教員の監修のもと本学の授業で取り上げられる作品や、映画史的な位置付けを考慮した上で選抜しています。
・ジャンルは、イメージライブラリー独自の分類を表記しています。




1895年 工場の出口
/リュミーエル兄弟
シネマトグラフの発明者リュミエール兄弟の最初の映画。これがパリのグラン・カフェで公開されたその時が“映画の誕生”とされている。

1902年 月世界旅行
/ジョルジュ・メリエス
メリエスはフィルム操作によるトリック撮影の発見者。映画に脚本などの演劇的要素を取り入れた。月の目にロケットが突っ込むシーンは有名。

1916年 イントレランス
/D・W・グリフィス
グリフィスは、数々の新手法を映画に取り込んだ“アメリカ映画の父”。不寛容によって起こった歴史上の4つの事件を同時進行で交互に描く。

1919年 カリガリ博士
/ロベルト・ヴィーネ
20世紀初頭の芸術運動“表現主義”の最初の映画で代表的作品。精神病者の妄想を奇怪に歪んだ空間と人工的な照明によって描く。

1921年 リズム21
/ハンス・リヒター
抽象形態のみで構成される“絶対映画”の代表作。ダダイストのリヒターが、映像の運動のみで視覚的リズムを生み出すことを試みる。

1922年 極北のナヌーク
/ロバート・J・フラハティ
イヌイットの暮らしを描いたドキュメンタリー映画の草分け。真実を伝える為、時に演出されたフィルムは発見の驚きと喜びで輝いている。

1924年 最後の人
/F・W・ムルナウ
ホテルのドアマンが高齢のためトイレ番にされる悲哀。携帯可能になり自由に移動撮影するカメラが、登場人物の内面を雄弁に語る。

  バレエ・メカニック
/フェルナン・レジェ
キュビズムを代表する画家の一人レジェによる映画。リズムや形態の類似によって結び付けられたモチーフによって、映画における対位法を試みる。

  幕間
/ルネ・クレール
バレエ(美術ピカビア/楽曲サティ)の幕間で上映するために制作された。踊り子、蜃気楼などのイメージが抽象的な運動のリズムを作り出す。

1925年 戦艦ポチョムキン
/セルゲイ・M・エイゼンシュテイン
ウジ虫入りのスープを飲まされるポチョムキン号の兵士の反乱を、独創的なモンタージュ技法によって映像言語化した映画史上先駆的な傑作。
1926年 メトロポリス
/フリッツ・ラング
近未来社会の恐怖を鋭くついたサイレント時代の古典SF。その世界観、都市やロボットの洗練を極めた造形は、その後多くの模倣を生んだ。

  アネミック・シネマ
/マルセル・デュシャン
マルセル・デュシャンが、映画の光学的な効果に到達する、より実際的な方法として制作したダダ映画。螺旋が描かれた円盤が回り続ける。

1928年 アンダルシアの犬
/ルイス・ブニュエル、サルバドル・ダリ
無意識から生まれたイメージを脈絡なく連結したシュルレアリスム映画の代表的作品。切り裂かれる眼、手の平の蟻…不条理が強烈な印象を残す。
  キートンの蒸気船
/チャック・ライズナー、バスター・キートン
久々に父の元に戻る息子は目印にカーネーションをつける。しかし今日は母の日なので同じ花が…。練られた脚本と超人的なアクションが圧巻。
  裁かるゝジャンヌ
/カール・テオ・ドライヤー
デンマークの巨匠ドライヤーが、ジャンヌ・ダルク裁判を題材に、人間の表情の執拗なクロース・アップの積み重ねによる心理描写を追求する。

  ひとで
/マン・レイ
シュルレアリスムのアーティスト、マン・レイは、絵画、彫刻、映画など幅広い創作活動をした。ロベール・デスノスの詩に着想を得た作品。

1929年 カメラをもった男
/ジガ・ヴェルトフ
“キノグラース”というジガ・ヴェルトフ独自の映画理論に基づく実験的なドキュメンタリー映画。

1931年 フランケンシュタイン
/ジェームズ・ホエール
後の怪奇映画に多大な影響を与えたホラーの古典的作品。首にボルトが刺さった怪物のイメージはこの映画から生まれた。

1933年 新学期 操行ゼロ
/ジャン・ヴィゴ
寄宿学校の管理体制に反抗し、自由を求め革命を起こす子供達。羽根枕を引きちぎり屋根の上を駆け回る小さなアナーキスト達の姿が輝かしい。

1935年 丹下左膳餘話 百萬兩の壺
/山中貞雄
庶民の人生の機微を、軽妙な笑いに包んで描いた時代劇版小市民映画。百万両のありかが隠された壷をめぐる騒動。

1936年 モダン・タイムス
/チャールズ・チャップリン
喜劇王チャップリンが社会の急速な機械化に対し、人間らしさを!と叫んだ傑作喜劇。サイレントにこだわり続けた彼が初めて声を発した作品。

1938年 民族の祭典
/レニ・リーフェンシュタール
ベルリンオリンピックの記録映画。力強く荘厳な映像美はナチの美学と合致し、戦後レニはプロパガンダの協力者として非難された。

1939年 駅馬車
/ジョン・フォード
危険な荒野を疾走する駅馬車。そこへ乗り合わせた人々の人間模様と、彼らの運命の交差を描いた痛快な西部劇。その躍動感は今も色あせない。

  オズの魔法使
/ビクター・フレミング
30年代に登場したカラーフィルムの色調は現実世界を描くには違和感があった。本作はこれを使い分け、夢の世界のみをカラーで描いている。

  ゲームの規則
/ジャン・ルノワール
貴族の恋愛ゲームの悲喜劇をバロックをイメージした柔らかな演出で描く映画作りのバイブル的作品。監督は印象派画家ルノワールの次男。

  戦ふ兵隊
/亀井文夫
戦中の記録でありながら勇ましい兵隊はひとりも登場せず、中国の雄大な自然や死にゆく軍馬への眼差しも忘れなかった一篇の詩のような作品。

1940年 ファンタジア
/ウォルト・ディズニー(製作)
クラシック音楽にのり8つのエピソードがダイナミックに展開するミュージカル・アニメーション。ミッキーも登場するディズニー映画の傑作。
1941年 市民ケーン
/オーソン・ウェルズ
弱冠25歳のO・ウェルズが、新聞王ケーンの波乱の人生を描いた処女作。斬新な構成と演出、実験的な撮影法は後の映画史に影響を与えた。

1942年 くもとちゅうりっぷ
/政岡憲三
同時期の日本漫画映画の傑作『桃太郎 海の神兵』とは対照的に、戦時色は微塵も感じられない。その繊細な動きと豊かな詩情には思わず嘆息。

1943年 午後の網目
/マヤ・デレン
アメリカ実験映画の出発点であり、60年代以降にはフェミニスト映画の先駆としての再定義がなされた。精神分析的に自殺願望の夢想を描く。

1947年 モーション・ペインティング NO.1
/オスカー・フィッシンガー
油絵をガラス板の上に描いていく過程をコマ撮りした抽象アニメーション作品。曲はバッハの「ブランデンブルグ コンチェルトNo.3」。
1948年 皇帝の鶯
/イジー・トルンカ
アンデルセンの『ナイチンゲール』を題材にトルンカによって制作されたチェコの人形アニメーション。独自の視点と演出でみせる至玉の作。

  自転車泥棒
/ビットリオ・デ・シーカ
戦後困窮する人々を同時代的な視点で捉えたネオレアリズモの代表作。商売道具の自転車を盗まれてしまった父子の物語を人情味豊かに描いた。

  ドイツ零年
/ロベルト・ロッセリーニ
映画の冒頭、敗戦まもないベルリンで撮影された真実の姿は圧倒的な迫力である。瓦礫の中で生き延びる人々は、もはやモラルや慈愛の精神を持ち合わせてはいない。けなげに生きる少年を軸に、戦争が招いた悲劇を冷静な眼差しで描くネオレアリズモの代表作。

1949年 オルフェ
/ジャン・コクトー
前衛映画の系譜を受け継いだ詩人コクトーが描く現代のギリシャ神話。生と死を彷徨する詩人を逆回し等のトリック撮影を用いて幻想的に描く。

  色彩幻想 -過去のつまらぬ気がかり
/ノーマン・マクラレン
フィルムに直に施すダイレクトペイントやスクラッチによる抽象アニメーション。絵に同調する音楽はジャズ界の巨匠オスカー・ピーターソン。

1950年 羅生門
/黒澤明
芥川龍之介『藪の中』の映画化。迫力ある語り口と白黒の中に色彩と風が見える驚異的な光と影の表現は人間のエゴイズムを鮮やかに炙り出す。

1952年 くじら
/大藤信郎
過酷な状況下に炙り出される男たちのエゴイズムと性欲。ピカソやコクトーにも絶賛されたカラーセロファンを用いた影絵アニメーション。

1953年 雨月物語
/溝口健二
江戸時代の怪談集を基に、乱世の時代に欲にとらわれた人間の姿を綴った絵巻物のような時代劇。ワンシーン・ワンショットの人物凝視による演出により画面には気迫が満ち、闇と光の濃淡で描かれた妖艶な死霊との戯れに特筆される幽玄美は白黒映像美の極致である。

 東京物語
/小津安二郎
尾道の老夫婦が東京で暮らす息子達を訪ねる。独自の美学に基づく研ぎ澄まされた演出で緩やかに崩壊する家族の心を浮き彫りにした傑作。

1954年 裏窓
/アルフレッド・ヒッチコック
トリュフォーなど芸術派の作家達も敬愛して止まないサスペンスの神様・ヒッチコックは、豊かな実験精神で多くの映像テクニックを確立した。

1955年 大地のうた
/サタジット・レイ
ベンガルの田舎で生活する一家の営みを少年オプーの目を通して描く。人と自然、動物、雨や汽車までもが同質に描かれ詩情に溢れている。

  浮雲
/成瀬巳喜男
敗戦後の虚無感の中で転落してゆく一組の男女を描く。理屈で割り切れない人間の心情を、眼差しや身ぶりの描写の積み重ねによって炙り出す。
1956年 第七の封印
/イングマル・ベルイマン
騎士は死神に死を賭けてチェスの勝負を挑む。中世世界の人間と死の戯れを、厳格な演出と宗教画のような美しい映像で描いた神秘劇。

  ピカソ-天才の秘密-
/アンリ・ジョルジュ・クルーゾー
常にひとつの形に固執することのないピカソの大胆な筆づかいを間近に捉える。クルーゾー監督の被写体の捉え方は記録映画の域を越えた。

1957年 幕末太陽傅
/川島雄三
幕末の品川遊郭に居座るひとりのお調子者を描く傑作コメディ。職人芸の域に達したスピード感溢れる演出と一瞬の静。鬼才・川島雄三の代表作。

1958年 ぼくの伯父さん
/ジャック・タチ
だぼだぼコートに雨傘、くわえパイプがトレードマークのユロ伯父さんが巻き起こす騒動を描いた長編喜劇。ポエジー溢れる町の描写が楽しい。

  灰とダイヤモンド
/アンジェイ・ワイダ
対独レジスタンスの青年にもたらされる悲劇。ナチス解放後もソ連の支配から脱し得なかった祖国の内情を“ポーランド派”監督が直視する。

1959年 アメリカの影
/ジョン・カサヴェテス
ハリウッドの製作システムを否定し、自主製作の道を切り拓いたカサヴェテスの処女作。シナリオのない即興演出で、異人種間の愛に肉薄する。

  大人は判ってくれない
/フランソワ・トリュフォー
家庭や社会から疎外され、ついには感化院送りになってしまう多感な少年の姿を、即興演出とロケ撮影によるのびやかで瑞々しい映像で描いたヌーヴェル・ヴァーグの代表作。監督トリュフォーの自伝的要素の濃い作品で、その後約20年に渡り続編4作が制作された。

1960年 若者のすべて
/ルキノ・ヴィスコンティ
南部からミラノへと移住してきた貧しい一家が、大都市の中で崩壊していく様を描いた叙事詩。監督は『ベニスに死す』等の耽美的作品で有名。

  情事
/ミケランジェロ・アントニオーニ
突然失踪した女性を探す親友と婚約者。謎はいつしか二人の情事にすり替わる。愛の不毛、コミュニケーションの不在、時代の倦怠感を描く。

  地下鉄のザジ
/ルイ・マル
少女ザジのパリ見物の模様を描いたどたばた喜劇。原作者はシュルレアリストのR・クノー。エッフェル塔の螺旋階段のシーンは圧巻。

  裸の島
/新藤兼人
瀬戸内海の孤島で生きる一家。水のない島に夫婦は毎日対岸から小舟で水を運ぶ。一切の台詞を排し映像と音のみで人間の営みを描く。

1961-64年 ドッグ・スター・マン
/スタン・ブラッケージ
アメリカ実験映画史上の古典的作品。血液や内臓といったミクロから宇宙的マクロまでの映像断片が交錯し、宇宙論的イメージが湧出する。

1961年 去年マリエンバードで
/アラン・レネ
男の言葉に従い、女は覚えてはいない去年の情事の記憶を作り上げていく。シンメトリー構図の中で紡がれる時間と空間、意識と無意識の迷宮。

  黒い十人の女
/市川崑
男への復讐を図る十人の女たち。モノクロ画面を活かしたスタイリッシュな映像は、市川崑のモダニズムの真骨頂。女優陣の華やかさも魅力。

1962年 人間動物園
/久里洋二
武満徹のヴォーカリズムに合わせ、檻の中で男は女に犬のようにあしらわれ、リードで引っ張られる。ブラックユーモアの効いた作品。

  長距離ランナーの孤独
/トニー・リチャードソン
イギリスの労働者階級と体制への反逆を描くフリー・シネマの代表作。感化院に送り込まれた少年の怒りと自尊心を生き生きと描く。

 水の中のナイフ
/ロマン・ポランスキー
船上の閉じた空間で次第に狂気を帯びてゆく3人の男女を、繊細なグレーの色彩と抑えた台詞、ジャズを用いて簡潔かつ鋭利な演出で描いた。

  ラ・ジュテ
/クリス・マルケル
廃墟と化した第三次世界大戦後のパリからタイムトラベルした男は、過去の世界で見覚えのある女性に出会う。記録映画作家のマルケルが記憶をモチーフに描くSF映画。白黒の静止画とモノローグで綴られた、映像の無限の可能性を示した衝撃作。

1963年 十三人の刺客
/工藤栄一
シンメトリーやクロース・アップなどスタイリッシュな構図で描写した時代劇サスペンス。悪徳藩主を討ち取る13人の武士の策略を描く“集団時代劇”。

 
/アレクサンダー・アレクセイエフ
ピンスクリーンの創始者による作品。ピンの凹凸によって描かれた絵は白から黒までをつなぐハーフトーンの豊かな色調を見せている。

1964年 奇跡の丘
/ピエル・パオロ・パゾリーニ
詩人、作家、批評家、画家など多岐にわたって活動した急進的作家パゾリーニの表現形式が確立された作品。<マタイによる福音書>の映画化。

  砂の女
/勅使河原宏
安部公房の小説を映画化した前衛的傑作。砂丘地帯の穴に閉じ込められた男の不条理な心理変化と、強迫的な砂の造形美。

  赤い殺意
/今村昌平
雪国を舞台に抑圧された女の成長を斬新なカメラワークで描く衝撃作。人間の欲を真直ぐ見据えた圧力のある演出で“悲喜劇”と呼ばれた。

1965年 気狂いピエロ
/ジャン・リュック・ゴダール
全編シナリオなしの即興演出と、既成の映像・言葉・音からの引用で構成。既成の映画文法にとらわれない革新的な語り口は世界に衝撃を与えた。

1966年 EMOTION=伝説の午後=いつか見たドラキュラ
/大林宣彦
映像の魔術師・大林宣彦の原点ともいえる自主製作時代の作品。実験的な手法を駆使し、当時のアンダーグラウンド映画界を沸かせた。

  盗まれた飛行船
/カレル・ゼマン
トリック映画の巨匠カレル・ゼマンは実写・書割・アニメーションを組合せ、幻想的世界を描いた。動く銅版画のような『悪魔の発明』も必見。

 ひなぎく
/ヴェラ・ヒティロヴァ
社会主義全盛期の東欧において自由を謳歌する二人の少女を風刺的に描き、監督のヒティロヴァはこの後数年間映画を撮ることを禁止された。

  ポリー・マグーお前は誰だ?
/ウィリアム・クライン
写真家ウィリアム・クラインが、コラージュなどの前衛的な手法を多用して60年代のパリのモード界をアイロニカルに描く。

1967年 日本春歌考
/大島渚
60年代の騒然とした東京を舞台に性の歌である春歌を軸に描く異色の青春映画。抑圧された心を春歌に託す青年の姿が当時の時代を体現する。

  チチカット・フォーリーズ
/フレデリック・ワイズマン
ダイレクト・シネマの巨匠ワイズマンがマサチューセッツ州の精神異常犯罪者の矯正施設の日常を捉える。1990年まで上映禁止とされた問題作。

1968年 イエロー・サブマリン
/ジョージ・ダニング
ビートルズとブルー・ミーニー族との戦いをユーモラスに描いたアニメーション。サイケデリックなデザインや実験的手法は今でも刺激的だ。

  2001年宇宙の旅
/スタンリー・キューブリック
科学的根拠に基づく徹底したリアリズムの追求やクラシック音楽の起用など、それまでのSF映画の常識を覆した傑作。人類創生から新人類の誕生までを描く。ヒトザルが投げた骨がゆるやかに下降しながら宇宙船にすりかわるジャンプ・カットは、映画史に残る名シーンである。

  初恋:地獄篇
/羽仁進
孤独な少年とヌードモデルの少女の恋を現実と幻想とを織り混ぜて描く。思春期のみが持つ危うい美しさを素人役者での即興演出で描き出した。

1969年 イージー・ライダー
/デニス・ホッパー
ドラッグ、人種問題、ベトナム戦争…病めるアメリカの姿は今も変らない。この国の目指す「自由」とは?アメリカン・ニューシネマの代表作。

  ケス
/ケン・ローチ
炭鉱の町で暮らす少年の唯一の楽しみは餌付けしたハヤブサのケスを訓練する事。くすんだ炭鉱町とハヤブサが舞う美しい草原の対比が印象的。

  心中天網島
/篠田正浩
絵や文字で装飾したセットなど独特の美学で近松門左衛門の人形浄瑠璃を映画化。男女の死の逃避行に黒衣の人形遣いが死神のように寄り添う。

  薔薇の葬列
/松本俊夫
ゲイの少年が母を殺し父と交わるという現代のオイディプス神話を、素人のゲイボーイや主人公へのインタビュー、新宿街頭でのゲリラ撮影等を取り入れた虚実ないまぜの実験的手法で描く。監督は映像理論、ドキュメンタリー、実験映像の世界で活躍する松本俊夫。

  私が棄てた女
/浦山桐郎
60年代後期の世相を背景に、60年安保で挫折を味わい、今はサラリーマンとして出世コースを歩む男が抱える人生と愛の偽りを描く。

1970年 暗殺の森
/ベルナルド・ベルトルッチ
政治と官能を主題に作品を作り続けるベルトルッチ監督が、時代に順応しファシズムに傾倒していく青年の姿を通し、ブルジョワ的退廃を批判。

  エル・トポ
/アレハンドロ・ホドロフスキー
チリ出身の監督が、子連れのガンマンの決闘と死、復活を旧約聖書になぞらえて描く。暴力と聖性、西部劇と宗教映画が渾然となった異色作。

  コンセプトテープ1,2,3
/飯村隆彦
飯村氏のコンセプチュアルな構造映画は、映画の物理性と哲学的な要素を提示する。初期作品の『くず』や『AI(LOVE)』も必見。

  無常
/実相寺昭雄
近親相姦のタブーを犯すという世界観を残酷なほどに美しいモノクロの映像美で描く。監督はウルトラマンシリーズ等も手掛ける実相寺昭雄。

1971年 ざくろの色
/セルゲイ・パラジャーノフ
アルメニアの詩人サヤト・ノヴァの生涯を美しい8章の映像詩で綴る。目の醒めるような神秘的な色彩で描かれた絵画的な世界。
  水俣-患者さんとその世界-
/土本典昭
水俣病患者達の苦悩と変わらない海への思慕。近代化の痛みを見つめると同時に海と人との暮らしを鮮やかにフィルムに刻み込んでいる。

1972年 リトアニアへの旅の追憶
/ジョナル・メカス
リトアニアからアメリカへ亡命し、27年後に母や友人達と再会するまでの日々を3部構成でまとめたメカスの代表作。メカスはアメリカ実験映画史に絶対的な影響力を持つ作家・オーガナイザー。本作のように、日常生活の断片的な記録を集積した“日記映画”というスタイルを生み出した。

  フェリーニのローマ
/フェデリコ・フェリーニ
フェリーニが魂の故郷ローマへ捧げた幻惑的で摩訶不思議な映像世界。青年期の記憶から現代まで時間を奔放に行き来し、現実と虚構が入り混じったエピソードをモザイク状に構成することで、目の前に人格を持った巨大な生き物のようなローマが立ち上がってくる。

1973年 土方巽 夏の嵐
/土方巽(出演)
戦後日本の前衛ダンスの牽引者であり「暗黒舞踏」の創始者である土方巽は、’73年京都大学講堂における舞踏をもち自らの舞踏を封印した。

  ファンタスティック・プラネット
/ルネ・ラルー
青い肌・赤い眼の巨人が支配する惑星が舞台のSFファンタジー。切り紙アニメーション独特の動きでローラン・トポールの絵は奇怪さを増す。

  ミツバチのささやき
/ビクトル・エリセ
内戦が落とす暗い影、大人たちが抱える孤独とを繊細に綴りながら、現実と空想の世界の区別がつかない幼い少女の世界を詩情豊かに描く。

1974年 インディア・ソング
/マルグリット・デュラス
映像と分離した「オフの声」—画面に現れない者たちの対話によって、記憶と忘却とのせめぎ合いを体現しながら、熱狂的な愛の物語を綴る。

  蛙の求婚
/イブリン・ランバート
銃を腰に下げた蛙が、美しい白ネズミにプロポーズ。スコットランド民謡に合わせたアニメーションで、黒い背景に色鮮やかな切り紙が映える。

1975年 アラベスク
/ジョン・ウィットニー
コンピュータ・グラフィックの先駆者ジョン・ウィットニーの代表作。様々な線や図形が複雑な運動を繰り広げる抽象映画。

 
/アンドレイ・タルコフスキー
ロシアの映像詩人による記憶と夢のイメージで織り込まれた美しい映像詩。幼少の記憶、夢の中の風景、戦争の記録フィルムなどを用いて幻想的なイメージにより人生の感覚を映像で伝えようとした純粋な試み。映像の快楽とも言うべき幸福な時間に立ち会う。

  カッコーの巣の上で
/ミロス・フォアマン
刑務所の強制労働を逃れるため狂人を装い精神病院へ移送された男は、完全に管理された不条理な世界でやがて本物の狂人になっていく。

  ジョーズ
/スティーブン・スピルバーグ
巨大人喰い鮫と人間との戦いを描いたパニック映画。細部まで設計されたショットや人物描写など弱冠27歳の監督の演出力に目を見張る。

  旅芸人の記録
/テオ・アンゲロプロス
旅芸人一家の物語を軸に現代ギリシャ史を旅する壮大な映像叙事詩。奇跡のような長回し撮影で描かれる圧倒的なスケールの映像美は必見。

  優しい金曜日
/田名網敬一
アニメーションや版画など、幅広い創作活動を続けるグラフィック・デザイナーの田名網敬一が、自身の少年時代の記憶を走馬燈のように綴る。

1976年 道成寺
/川本喜八郎
日本を代表する人形アニメーション作家・川本喜八郎が、能や歌舞伎の題材となった安珍清姫伝説を脚色、女の情念と業を独自の様式美で描く。

  タクシー・ドライバー
/マーティン・スコセッシ
世界の不浄さに苛立ちを募らせ、大統領候補の暗殺を企てるベトナム戦争帰りの孤独なタクシードライバーの姿を通し、都会に潜む狂気を浮き彫りにする。社会通念を欠いた鬱屈した青年の心の闇が、凄惨な暴力の現場へと収束していく過程には息を呑む。

1977年 アニー・ホール
/ウディ・アレン
映画の都ハリウッドの対極に位置するニューヨークで活躍する監督が、諷刺と皮肉を効かせながら、都会人の孤独を浮き彫りにする恋愛悲喜劇。

  イレイザー・ヘッド
/デビッド・リンチ
不可解さに満ちていながらも抗い難い魅力をもつ初期の“リンチ・ワールド”。不気味な赤ん坊の父親になった男の悪夢と妄想を描く。※1977年公開版の音響に不満をもっていた監督のリンチが、1993年に自ら音響をドルビー・ステレオ化し『イレイザー・ヘッド完全版』として再構成した。

  パワーズ・オブ・テン
/チャールズ&レイ・イームズ
公園でピクニックする男女を起点に、10の累乗のスピードで宇宙から原子核までを旅する。イームズ夫妻は革新的なデザインで近代家具の歴史に大きな進展をもたらした一方で、映像の分野でも優れた作品を数多く残した。イメージライブラリーは51作品を所蔵している。

  変身
/キャロライン・リーフ
ガラス板の上に置かれた砂で絵を描き、下から光を当てるという技法で作られたアニメーション。砂の陰影が画面に豊かな表情を与えている。

1978年 ディア・ハンター
/マイケル・チミノ
200万人以上の死者を出したベトナム戦争。アメリカの犯した誤りや精神的肉体的後遺症、挫折感をロシア系移民の心の襞に重ね描いた秀作。

1979年王と鳥
/ポール・グリモー
中世的な世界にロボットなどのSF的要素がふんだんに盛り込まれたファンタジー。宮崎駿にも多大な影響を与えたことが随所に見て取れる。※グリモーは1947年に『やぶにらみの暴君』の制作に着手したが、4年経っても完成せず、プロデューサーがイギリスでラストを追加して完成させてしまう。この不本意な公開から27年を経てグリモーが完成させたのが『王と鳥』である。

 草迷宮
/寺山修司
泉鏡花の原作から、青年の手毬唄探しに仮託した母追慕の物語を、幻想・過去・現在を交錯させる手法で紡いだ哀切な抒情に溢れた物語。

  地獄の黙示録
/フランシス・F・コッポラ
ジャングルの河沿いに悪夢のように浮かび上がる戦争の狂気。人間の根源的な恐怖を暴き、公開当時賛否両論を巻き起こしたベトナム戦争映画。

  話の話
/ユーリ・ノルシュテイン
オオカミの子を狂言回しに綴る叙事詩アニメーションの一編。母の子守唄、戦争に駆り出される男たち。子供時代の思い出を詩情豊かに描く。

  リフレクティング・プール
/ビル・ヴィオラ
ビル・ヴィオラは現代美術においても高く評価されるビデオ・アーティスト。森の中のプールをビデオ的手法で捉え時間の重層化を試みる。

1980年 タンゴ
/ズビグ・リプチンスキー
部屋に飛び込んだボールを取りにきた少年を筆頭に、順々に人が室内に入ってくる。数千枚のコマをタンゴのリズムに合わせて構成した不思議な作品。

  ツィゴイネルワイゼン
/鈴木清順
サラサーテのレコード盤が誘う、現実と幻想の交錯した狂気の世界。鬼才・鈴木清順が極彩色で彩る、生と死、エロスの沸き立つ大胆な幻想譚。

1981年 泥の河
/小栗康平
戦後、復興し始めた大阪。河岸のうどん屋の少年は、対岸に繋がれた郭舟に住む姉弟との出会いと別れの中で、初めて生きることの痛みを知る。

1982年 コヤニスカッティ
/ゴッドフリー・レジオ
コヤニスカッティとはアメリカ先住民ホピ族の言葉で「平衡を失った世界」の意。文明と自然の関係をナレーションのない圧倒的な映像で綴る。

  対話の可能性
/ヤン・シュヴァンクマイエル
アニメーションの手法で人間の様々な対話の諸相を3部構成で描く。果実や台所用品でできた顔同士がお互いを食らいあい咀嚼する『永遠の対話』、粘土で男女の愛を描く『情熱的な対話』など。人間のコミュニケーションの断絶や誤解を哲学的に風刺している。

  天使
/パトリック・ボカノウスキー
7つのシークエンスからなる悪夢的映像詩。美しくも神経症的な弦の音と細密な特殊効果撮影から生み出された鮮烈なイメージの奔流。

  フィツカラルド
/ヴェルナー・ヘルツォーク
神話的世界を見つめ続ける超時代的作家・ヘルツォークが、ペルーの未開の地でオペラハウスを建設しようとする男の物語を描く。

  ルアッサンブラージュ
/トリン・T・ミンハ
客観的記録を批判し、意味とフレームから解放された「眼差しの映像」をもってアフリカの女性を捉えた作品。柔らかく繊細な撮影が美しい。

1983年 家族ゲーム
/森田芳光
囁くような会話、音楽を一切使用せず現実音を誇張した音処理、ねじれた空間…。現代の家族関係をシニカルにシュールに描くホームドラマ。

  DRILL
/伊藤高志
社会の内外の境界である集合住宅の下駄箱の空間を歪曲した世界観でみせる。体育館をスチールでコマ撮りした『SPACY』も初期の代表作。

  風櫃の少年
/ホウ・シャオシェン
兵役を直前に控えた少年達の無為でかけがえのない時間を捉えた青春映画。のびのびとした新しい肌触りを持つ台湾ニューウェイブの代表作品。

  ボーイ・ミーツ・ガール
/レオス・カラックス
80年代のフランス映画界で最も作家的な生き方をした“恐るべき子供”カラックス。自らの魂を吐露した夜のパリの情景は美しくも物悲しい。

  ラルジャン
/ロベール・ブレッソン
偽札によって破滅へと導かれる青年。孤高の映画作家ブレッソンの、台詞と演技を極力排した禁欲的な演出が、より鋭く研ぎ澄まされた遺作。

1984年 カオス=シチリア物語
/タビアーニ兄弟
ピランデッロの短編集『一年間の物語』から選ばれた6話から成る。カラスが狂言回しとなり描かれるトスカーナの美しく幻想的な物語。

  ジャンピング
/手塚治虫
漫画界の巨匠・手塚治虫は、実験アニメーションの世界でも大きな功績を残した。ジャンプし続ける子供の視界をワンカットで描いた作品。

  ストレンジャー・ザン・パラダイス
/ジム・ジャームッシュ
ワンシーン・ワンカットで冴えない若者の日常を描いた低予算映画。独特の感性が各方面で話題となり、インディーズブームを巻き起こした。

  ダウンサイド・アップ
/トニー・ヒル
カメラが水平垂直方向に回転運動を繰り返しながら半周ごとに新たな空間へ移行する。カードの表裏のように世界を切り取った驚きのカメラ眼。

  パラダイス
/イシュ・パテル
インドの古い詩を題材にした切り紙アニメーション。絢爛豪華な王宮は、背景画に穴を開け、後ろから光を当てるという手法で制作されている。

  パリ、テキサス
/ヴィム・ヴェンダース
放浪から帰還した男が幼い息子と絆を確かめ合いながら失踪した妻を捜す。ドイツ人監督がアメリカの風景の中に描く家族の再生と人間の孤独。

1985年 ショア
/クロード・ランズマン
ユダヤ人大量虐殺の当事者達の証言のみで作られた衝撃作。人間の記憶のみで作られたこの映画は表象不可能な地獄を私達の脳裏に垣間見せる。

  78回転
/ジョルジュ・シュヴィツゲベル
力強いドローイングが生み出す大胆で躍動感溢れる世界。ワルツにのせて、回転するオブジェクトを視点の移動とメタモルフォーゼによって描く。

  フィルム・ビフォー・フィルム
/ヴェルナー・ネケス
映画が発明される以前の“動く絵”にまつわる数々の装置を紹介し、知覚現象を利用した動きのイリュージョンの発達史をたどる。

  未来世紀ブラジル
/テリー・ギリアム
コンピューターに全てを管理された近未来を描いたSF映画。現実と幻想がないまぜになった奇怪なイメージはまるで悪夢のようだ。

1986年 ストリート・オブ・クロコダイル
/ブラザーズ・クエイ
双子の人形アニメーション作家ブラザーズ・クエイが放つ機械仕掛けと血肉で構成された怪奇幻想の世界は、独特の妖艶さをたたえている。

1987年 紅いコーリャン
/チャン・イーモウ
イーモウ監督初期作品の『紅いコーリャン』や『紅夢』には「紅」が印象的に使われている。この色に中国の歴史や文化、人間の感情を込める。

  木を植えた男
/フレデリック・バック
人里離れた荒野でたった一人木を植え続けた男は、やがて荒地を緑の大海原へと変えた。流れるようなパステル画のタッチが限りなく温かい。

  事の次第
/ピーター・フィッシュリ&デヴィッド・ヴァイス
フィッシュリ&ヴァイスはスイスのアーティスト・ユニット。並べられた日常的な物が次々と引き起こす連鎖反応を即物的に捉える。

  友だちのうちはどこ?
/アッバス・キアロスタミ
子供たちの自然な表情や振る舞いをドキュメンタリーのようにとらえた奇蹟の一作。イラン版『大人は判ってくれない』。

  ゆきゆきて神軍
/原一男
神軍平等兵を名乗る奥崎謙三はウエワク残留隊の生存者を訪ね、戦線での事実を追及する。過激な奥崎を原のカメラが追い観客は目撃者となる。

1988年 AKIRA
/大友克洋
2019年の東京湾に建設されたネオ東京が舞台。同名漫画をアニメーション化した“ジャパニメーション”の先駆となった大友克洋の作品。

  数に溺れて
/ピーター・グリーナウェイ
夫を溺死させようとする同姓同名の母、娘、祖母たち。この死のゲームの絵画的なカットの隅々に、1から100までの数字が散りばめられる。

  デカローグ
/クシシュトフ・キェシロフスキ
デカローグとは旧約聖書の<十戒>の意。ワルシャワ郊外のアパートに住む10人の生活を十戒になぞらえた。各話の映画的な時間構成は秀逸。

  100人の子供たちが列車を待っている
/イグナシオ・アグエロ
映画を見たことのない貧しい子供達に手作りで映画を教える女性教師の物語。『フィルム・ビフォー・フィルム』と併せて見て欲しい一作。

1989年 動くな、死ね、甦れ!
/ヴィターリー・E・カネフスキー
大戦直後のロシアを、シベリアの儚く澄んだ光の中に描いたカネフスキー54歳の処女作。絶望と喪失感に閉塞した世界と少年の無垢の眼差し。

  SITE RECITE
/ゲイリー・ヒル
ゲイリー・ヒルは“ビデオ・アートの第2世代”の作家の一人。クロース・アップされた物体の画像と挿入される言葉の相関が生み出す緊張感。

1990年 僕の好きなこと、嫌いなこと
/ジャン・ピエール・ジュネ
好きなこと−車と並走する列車。嫌いなこと−あご鬚だけの男…。好きな事と嫌いな事をナレーションで綴るアイデアは「アメリ」で踏襲される。

  マッチ工場の少女
/アキ・カウリスマキ
マッチ工場で働く冴えない少女の復讐劇。切り詰められた台詞と身振りなど、豊かなシンプルさというべき独特のたたずまいが妙に可笑しい。

1992年 阿賀に生きる
/佐藤真
阿賀野川と暮らす人々の生活を3年間現地で生活しながら撮影した作品。川のようにゆったりと流れる彼らの時間はほのぼのと可笑しい。

  ストーン
/アレクサンドル・ソクーロフ
海を臨む白い館へ老作家の魂が帰還する。映画とは常に新しい世界を構築する、魂についての仕事であることをソクーロフの作品は伝える。

  ディレクターズ・カット/ブレードランナー最終版
/リドリー・スコット
近未来を描いたSF映画の代表作。模型によって生まれた壮大なスケールと、シド・ミードによる近未来のコンセプトは未だ色褪せる事はない。※「ブレードランナー」は1982年に公開されたが、1992年のディレクターズカット版で新たなシーンが盛り込まれ、監督リドリー・スコット自身の解釈による編集バージョンが最終版として公開された。

  光で描く撮影監督ストラーロ
/デビッド・トンプソン
光と影をペンにして数々のストーリーを描いてきた撮影監督ストラーロ。その撮影哲学、映画理論をインタビューを交えながら紹介する。

1993年 風の丘を越えて-西便制-
/イム・グォンテク
韓国の伝統芸能パンソリの旅芸人一家の、血ではなく唄で繋がった絆を力強い演出で描く。監督は韓国の溝口健二と呼ばれる巨匠。

  親愛なる日記
/ナンニ・モレッティ
監督のモレッティが彼自身を自演。軽妙な風刺を散りばめながら、ベスパでのローマ巡りや癌宣告などのエピソードを日記風にのびやかに綴る。

  部屋 THE ROOM
/園子温
自主映画出身の監督・園子温が、自分の死ぬべき部屋を探し求めて彷徨う殺し屋を描く。長回し撮影と粒子の荒れた退廃的な世界。

1995年 アンダーグラウンド
/エミール・クストリッツァ
力強い映像と音楽、カーニバルのような世界観で、第二次大戦から内戦までの動乱の旧ユーゴスラビア史を綴った悲喜劇。

  GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊
/押井守
2029年の近未来、攻殻機動隊員たちはネットの海に漂いながら、脳核の一部がオリジナルであることを信じつつ、電脳犯罪の捜査にあたる。

1996年 議事堂を梱包する
/ヴォルフラム・ヒッセン、ヨルク・ダニエル・ヒッセン
ドイツの旧帝国議会議事堂を梱包するクリスト夫妻の記録。24年の交渉を経て許可された束の間の梱包の美と、プロジェクトの意味とは?

1997年 ローザス・ダンス・ローザス
/ティエリー・ドゥ・メイ
コンテンポラリー・ダンスのカンパニー“ローザス”の初期作品を映像化。反復する身体運動と、ミニマルな音楽・空間の構造的関係性。

1998年 A
/森達也
A=オウム。事件後の信者達にカメラは寄り添う。報道とテレビ、そして私達は彼らが「人間」であることを否定しようとしていなかったか。

2000年 ヴァンダの部屋
/ペドロ・コスタ
破壊されつつある移民街の片隅にヴァンダの部屋がある。去りゆく時間の中で寄り添う人々の姿の中に神聖なまでに美しい一瞬を発見する。

2001年 H story
/諏訪敦彦
脚本なしの即興演出で知られる諏訪敦彦が故郷広島である映画のリメイクを試みる。未完成の本編とメイキングが渾然一体となった異色作。

2007年 選挙
/想田和弘
政治についてはズブの素人・山さんがひょんなことから議員選に立候補することに。選挙を通じて「ニッポン民主主義」の本質が浮き彫りになる。

2010年 ブンミおじさんの森
/アピチャッポン・ウィーラセタクン
死期が迫るブンミの前に妻の亡霊と精霊になった息子が現れる。タイの監督が描く、人間と自然、生と死、現世と前世とが共に息づく不思議な世界。

--- 現代建築家ビデオシリーズ
カラトラバ、ル・コルビジェ、安藤忠雄など、優れた建築家たちの作品を紹介、現代建築の潮流を探る。※「所蔵作品データベース」のフリーワード検索で「現代建築家ビデオシリーズ」と入力し検索すると一覧が表示されます。

--- アート・ドキュメンタリー・シリーズ 美術、建築、音楽、写真などあらゆる分野のアーティストの姿や制作過程を、映像作家が独自の視点で切り取ったドキュメンタリー・シリーズ。※「所蔵作品データベース」のフリーワード検索で「アート・ドキュメンタリー・シリーズ」と入力し検索すると一覧が表示されます。

--- ディレクターズ・レーベル
/クリス・カニンガム他
クリス・カニンガムやミシェル・ゴンドリーなど、傑出するミュージック・クリップの監督作品をまとめたDVDシリーズ。※「所蔵作品データベース」のフリーワード検索で「ディレクターズ・レーベル」と入力し検索すると一覧が表示されます。