オペラ・ガルニエを、内外部の撮影に加え、模型や当時の平面図などの豊富なビジュアル資料で解説。着想、着工、完成から現在の状況に至るまで、建築家自身の発言に当時の社会状況や批評を交え、建築作品を多面的に検証する。 パリのオペラ座はナポレオン三世の擁護を受けた建築計画の下、1861年のコンペで選ばれたシャルル・ガルニエの設計が採用された。ガルニエの設計案はバロック様式でまとめられ、壮大なファサードを持ち、内部には豪華なホワイエの大階段を配した。美しく着飾りオペラ座に集う人々にとって、これから始まるオペラへの期待を盛り上げる効果を持つ空間構成であったといえよう。