中学2年生のクラス担任をつとめる数学教師の三上は、自分のクラスをいくつかの班に分け、発言・提案・罰則などのすべてを班の共同責任とする学級運営を行っている。班による自治を促し、教師として機械のように問題を論理的に処理する三上の姿は、いままで多く描かれてきた熱血教師とはかけはなれたものである。それは人間味にあふれる教師の姿ではなく、学校で教師たる姿を演じる人物として描写されている。一方、何事も論理的に処理する三上に反発し、ルールには縛られず自由に振舞う美術教師・純子は生徒から人気があり慕われる存在であった。ある日、純子の家に男子生徒が訪ねてきて問題を起こしたり、自由ばかりを認めたために授業が成立しないほど生徒が騒ぎ立てる美術の時間は、もはや学校という社会的な組織としての平衡感覚をなくしていた。様々な問題の起こるなか、恒例のマラソン大会を行うかどうかで教員同士の意見が対立する。そこで三上はクラス結束のため駅伝大会を提案した。