「チチカット・フォーリーズ」のフレデリック・ワイズマン監督が、アメリカン・バレエシアター（ABT)の人々を記録したドキュメンタリー。 練習の合間に丹念に股関節のストレッチを繰り返す踊り子、老いたダンサーが振付師として身振り手振りで若手を指導する姿、劇場とのトラブルにものすごい剣幕で電話で怒鳴るマネージャー、傷ついた体を癒す治療室、本番での舞台裏、ギリシャの古代円形劇場での本公演の様子、公演後に打ち上げではしゃぎ踊るダンサーたち、束の間のビーチでの休息…。ストイックにレッスンに励むダンサーの姿、団の運営、舞台裏など、ワイズマン監督はABTの全てを生き生きと捉えた作品に仕上げている。前半にオーディションを受けていたダンサーの1人は、終盤ではパートナーとリハーサルを行っており、入団間もなく役のついたダンサーを通してこのバレエ団の競争の激しさや実力主義がうかがえる。 収録されている演目は、「ロミオとジュリエット」「眠れる森の美女」「春の祭典」「シンフォニック・ヴァリエーションズ」「ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番」「ジ・アザー」「シリアス・プレジャーズ」「火の鳥」「ライモンダ」「ラ・パヤデール」。