奇想天外な生涯を歩んだ男ハーヴィー・クランペットの物語を描いたクレイ・アニメーション。2004年アカデミー最優秀短編アニメーション賞受賞作品。 1922年のポーランド。木こりの父マチェックと、鉱山で働く母リリアーナのもとに生まれたハーヴィは、トゥレット症候群という脳の病のために学校でいじめに遭うことに慣れきっていた。やがて18歳になった時に両親が凍死、第二次世界大戦のドイツ軍の侵攻でオーストラリアに逃げ出すが、事故で頭に鉄板を入れることになり、さらに落雷のために人間磁石と化してしまう。彼の不幸は尽きないように思えたが、看護師のヴァルと恋に落ちたハーヴィは、ルビーという名のサリドマイドの少女を養子に迎え、ヴァルと共に幸せな数年間を過ごす。しかし65歳の誕生日にヴァルが突然天に召され、再びひとりぼっちになったハーヴィは急速に老け込んでいく。やがてアルツハイマーと診断された老人ホームに入ることになったハーヴィは、アルツハイマー患者のハミッシュと知り合い元気を取り戻し、二人はホームの仲間と共に酔っ払ったり、ジョークを言い合ったりして楽しい日々を過ごしていた。ところがハーヴィの症状は悪化、幻想と憂鬱の世界を行ったり来たりするようになり、自殺を考えるまでになってしまう。そんな時、ある女性との出会いが自殺を踏みとどまらせ、彼を新たな人生へと導くのだった…。

作品キーワード：粘土アニメーション，知的障害，病院，結婚式