チチカット・フォーリーズ
Titicut Follies / Titicut Follies
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ダイレクト・シネマの巨匠ワイズマン監督の処女作。マサチューセッツ州のブリッジウォーターにある精神病犯罪者のための矯正施設の日常を撮ったドキュメンタリー。 この施設の実態は、矯正院というよりも人権を無視した環境劣悪な刑務所である。そこには経済的な理由により犯罪歴のない精神病患者も収容されており、看守にしばしば裸で扱われているか、そうでなければ皆が囚人服を着せられている。独房にある私物といえば、布団とバケツのみである。そのバケツに溜まった排泄物を各々捨てるため、週に一度だけ独房の鍵が開けられる。言葉にならない怒りを全身に抱えて震え続ける男、大きな声で演説さながらに話し続ける男、ここにいると狂ってしまいそうなので刑務所に戻して欲しいと懇願する男。食事を拒否し続ける痩せこけた男(マリノフスキー)は、鼻からチューブを入れられ強制的に胃に栄養を送り込まれる。それを施す医者はくわえタバコのまま、まるで壊れかけた機械を直しているかのように彼を扱う。やがてマリノフスキーは死んでしまう。生前は裸で扱われた彼に立派なスーツが着せられ、白い布がかけられる。私物としてブリキのバケツしか許されなかった彼が、大きくて立派な棺に納められる姿は滑稽以外の何ものでもない。 ワイズマン監督は約1ヶ月の撮影の後、編集に1年を費やした。ナレーションや説明は一切排され、観客はその事実に立ち会うのである。本作はマサチューセッツ州の最高裁判所で1991年に判決が翻るまで、一般上映が禁止されていた。
作品キーワード:精神病院,刑務所
Staff
フレデリック・ワイズマン/Frederick Wiseman 監督/Director
フレデリック・ワイズマン/Frederick Wiseman 製作/Producer
フレデリック・ワイズマン/Frederick Wiseman 編集/Film Editing
ジョン・マーシャル/John Marshall 撮影/Cinematography