春
Spring
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ファシスト風の男は線路の脇から男たちをロープで引っ張るが、そこにやって来た電車に間に合わず轢かれてしまう。船員は太い棒で女性を何度も殴り、終いには長靴まで殴っている。森にやってきた男は大きな2本の木の間に粗末なブランコをかけ、自殺の道具にする。病理解剖学者が映画になると想像すると、きっとこのような映画になるだろう。黒い土で汚れた不具の男の顔についた少し解けた雪。不健全なセクシュアリティと恐ろしい意味での“身体のサーカス”。結局これは、小説を書いている老婆の頭の中で起こっていることだと分かる。この「春」という作品に現れる“崩した歩き”つまりシャム双生児のように体をぴったりと付けて這いずり回る男、二足歩行する猿、深い雪の中で妙な歩き方をする人たちに見られる奇妙な歩行こそ、ネクロリアリズムの映画における視覚的な特徴を見せている。 【ユフィット監督と“ネクロリアリズム”について】ネクロは死を、リアリズムは現実を意味する。ネクロリアリズムすなわち死・現実は「現在ある現実」と現在がすでに消滅した「死」という二つの対立する概念を併せ持っている。これはロシア映画における一つのムーブメントである。死は過去のものとしてだけでなく、人間に絶え間なくついてまわるものであり、また人間のそばにあるものである。ネクロリアリズムの映画は死を芸術的に描写した作品である。
作品キーワード:ネクロリアリズム
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イェヴゲニ・ユフィット/Yevgeniy Yufit 監督/Director
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