ジャン＝リュック・ゴダールとアンヌ＝マリー・ミエヴィルの共同制作による、実験的な政治ドキュメンタリー。パレスチナ解放機構（PLO）による自由を求める戦いや、演説、詩を朗読したり体操をしたりする少年少女たちの映像（よそ）と、くつろいでテレビを観賞しているフランス人の家族の映像（ここ）が対置され、さらに雑誌の切り抜きや広告、収容所やヒトラーの写真など様々なイメージが、ワイプやはめ込み合成などビデオ編集特有の操作を通じて次々に提示されていく。 本作はもともと、ゴダールとジャン＝ピエール・ゴランがパレスチナ革命中央委員会から依頼され、『勝利まで』と題した作品として「ジガ・ヴェルトフ集団」の名義で制作が行われていた。しかし、ジガ・ヴェルトフ集団の解散や政治状況の変化に伴って未完成のまま4年間放置され、後にアンヌ＝マリー・ミエヴィルの協力のもとで完成したという経緯がある。

作品キーワード：右翼，革命，資本主義，帝国主義