パイプをくゆらし新聞を読む男。チャイムの音で彼が玄関の扉を開けると、そこには不思議な箱が置かれていた。箱の中には右手用の黒い皮手袋が1枚。彼がそれを手にはめると、皮手袋は意思を持っているかのように勝手に動き始め、彼を屋外へと引きずり出し、あるアパートの一室へと導いた。皮手袋はそこでヒトラーやスターリンなどの歴代の独裁者の写真を見せつける。何と写真の独裁者たちの手には、どれもその皮手袋がはめられていた。皮手袋は男に独裁者になるよう強要するのだが…。 ピクシレーション（実写のコマ撮り）技法によるユニークかつスピード感溢れる映像で、平凡な男が陥った悪夢の世界を描く。2002年広島国際アニメーションフィルムフェスティバル優秀賞受賞。

作品キーワード：拷問