アメリカ・メイン州にある人口6000人の町ベルファストを描いたドキュメンタリー。ベルファストという“場所”を主人公に据え、この町に暮らす漁師、工場労働者、市議会議員、医師、教師などの労働風景と、合唱の練習やダンス教室、演劇の上演といった文化的生活をモザイク的にまとめあげたワイズマン監督の30本目の作品。 ベルファストは、かつては商業的に栄えた町であり、天然資源にも恵まれている。しかし、今ではメイン州で最も貧しい地区のひとつとなっており、市民の多くは高齢者で介護が必要な住民も多い。時代に取り残されたかのように見えるこの小都市であるが、薬物中毒、児童虐待、健康保険制度改革といった現代アメリカ社会の問題とも無縁ではない。