植松奎二が「見ることの行為との関係」をテーマに自らのパフォーマンスを記録した作品。植松はまず、カメラの前で灯りのついた白熱灯のコードを手にとり、ぐるぐると振り回す。そうすることによって、画面上に円形の光の軌跡が描かれる。しばらくして彼は、その白熱灯を勢い良く床に叩き付けて割り、次の行動に移る。握りこぶしぐらいのサイズの石を並べて円、三角形、四角形、直線のかたちをつくり、その輪郭に沿って床に釘を打ち込んでいく。そして打ち込んだ釘に白い紐を巻きつける。しかしすべての作業が終わった途端、植松はすべての釘を乱暴に抜いてしまう。そして、弓なりに曲がった木の枝を並べて円をつくり、自らその円の中に立つ。最後に彼は、すべての木の枝の弧の向きを裏返し、少し間を空けてから木の枝を片付け、そこでパフォーマンスは終わる。

作品キーワード：ビデオアート