1968年。五月革命の嵐が吹き荒れるパリを離れて、ジャン＝リュック・ゴダールはスウィンギング・シティー、ロンドンにいた。新曲「SYMPATHY　FOR　THE　DEVIL（悪魔を憐れむ歌）」を創作しているローリング・ストーンズのレコーディング現場でカメラを回すゴダール。そのレコーディングと交錯して、革命をテーマにしたストーリーが挿入される。戦争を準備するブラックパワーの闘士たち、TV局のインタビューをうける民主主義のヒロイン、イヴ・デモクラシー、ヒットラーの「わが闘争」を朗読する店主のいるポルノ・ショップ…。殆どのシーンが1シーン1カットで撮影されている。 本作はローリング・ストーンズのプロモーション・ビデオとしての商業的な価値を高めるため、プロデューサーがゴダールに無断で「ワン・プラス・ワン」というタイトルを「悪魔を憐れむ歌」に変えて再編集したヴァージョンである。