厳しい自然とそこに生きる人々の苦悩と運命を、アルメニア出身のアルタヴァスト・ペレシャン監督が独自のモンタージュ理論による力強い映像で描く。 ヴィヴァルディ「四季」の調べとともに映しだされるのは、アルメニアの山岳地帯とそこに生きる人々の生活。川の濁流に呑み込まれる人間と羊の姿が繰り返し映しだされる冒頭から始まり、厳しい自然の中での労働が描かれる。人々は生活の糧である家畜を運搬するため、大河や雪山を越え険しい道のりをゆかなければならない。四季を通じて止むことのない労働の重苦は幸福な婚礼の宴の風景にも影を落としている。 挿入される3つのテロップの邦訳は「疲れた」「他所（よそ）のほうがましだと思うのか？」「ここがお前の土地だ」（字幕翻訳にあたり、ロシア映画研究者・西周成氏にご協力を頂きました） （※）作品のタイトルは、山形国際ドキュメンタリー映画祭'95における邦題を使用しています。

作品キーワード：河，羊，結婚式