トルコ人メフメットとクルド人ベルザンの友情を描いた作品。ふたりの青年の魂の交流を描きながら、その背景にトルコ国内のクルド民族の厳しい現状を浮かび上がらせた。 イスタンブールの路上。トルコ人のメフメットとクルド人のベルザンは暴徒に追われたことがきっかけで親しくなった。肌の色が濃いメフメットは度々クルド人と間違えられることがあったが、ある時身に覚えのない拳銃不法所持の疑いをかけられ逮捕されてしまう。この事件をきっかけにメフメットの周囲の人々は彼がクルド人であるという疑いを深め、冷たい態度を取るようになる。ベルザンはメフメットを励まし、職を失った彼に仕事を紹介する。二人は固い友情で結ばれてゆくが、ベルザンはクルド人弾圧反対のデモに参加したことで逮捕され、拷問の末殺されてしまう。メフメットはベルザンの遺体を車にのせ、彼の恋人が待つ故郷を目指して旅に出るのだった。 1999年ベルリン国際映画祭ベストヨーロピアンフィルム賞・平和賞受賞。