ダイレクト・シネマにおける先駆け的存在であるピエール・ペローとミシェル・ブローの共同監督による、クードル島の伝統文化を描いたドキュメンタリー・シリーズの第一作目。長く忘れられていた島の伝統であるイルカ漁を、島の人々が自分たちの手で再現するプロセスを記録する。 セント・ローレンス川にあるクードル島では古くからイルカ漁が行われていたが、イルカを食べることが禁じられてから漁は行われなくなってしまった。この漁は、干潮時に沖合におびただしい数の木の杭を立てイルカが迷い込むのを待つという、大変な労力を要するものであった。島の人々はイルカ漁を再現しようと試みるが、この漁の手法を知る年配者はあまり再現に乗り気ではなかった。しかし、討論の末についにこのプロジェクトに賛成し伝統的な漁が再現される。本作は古漁の再現記録であると同時に、島独特の言語や寓話、生活様式等についての貴重な映像記録でもある。