チェチェン共和国のロシア国境に近いグロズヌイ。ロシアからの独立を望む人々によって争いが絶えないこの地区に設置されたロシア軍駐屯地に、一人の初老の女性・アレクサンドラが訪ねてくる。彼女はこの駐屯地の軍士官である孫のデニス・カザコフに会いに来たのだった。デニスの案内で基地を見て回った彼女は、年若い兵士たちの姿に驚き、彼らに母のような気持ちで接する。また付近の市場を訪れた際に、ロシア語の堪能なチェチェン人女性・マリカと出会い、親しくなるのだった。 内戦の続くチェチェンのロシア軍駐屯地へ家族を訪ねた一人の女性の姿を通じ、戦争の不条理さを描いた作品。主演のアレクサンドラを演じるのは、「ロストロポーヴィチ　人生の祭典」にも出演している世界的チェリスト・ロストロボーヴィチの妻である、オペラ歌手のガリーナ・ヴィシネフスカヤ。