戦後ニューヨークの波止場。ある晩、ボクサー崩れのチンピラ青年テリーは、兄のチャーリーが波止場労働者の仲間、沖仲士のジョイを殺す現場に立ち会った。港は酒場を経営するギャングのボス、ジョニーが暴力によって支配していたが、兄はジョニーの命令でジョイを建物から突き落としたのだった。ジョイの妹イディは悲しみにくれ、バリー神父と共に犯人探しを始める。ある日、バリー神父の教会はジョニーの一味の襲撃にあう。そこへ居合わせたテリーはイディを救い出し、それをきっかけにふたりは惹かれあってゆく。テリーはジョイの死を嘆き悲しむイディを見て、法廷で真実を証言する決意をする。しかしそんな中で再び沖仲士の仲間が殺される事件がおこり、ついに兄チャーリーも殺されてしまう。テリーは単身ジョニーの本拠に乗り込む決意をするが……。 エリア・カザン監督が、マルコム・ジョンスンがニューヨークのサン誌に連載していたルポ『波止場の犯罪』をもとにして制作した作品。第27回（1954年度）アカデミー賞・作品賞、監督賞、主演男優賞、助演女優賞、脚本賞、撮影賞、美術監督賞、編集賞を受賞。