『オーレリア・シュタイネル（メルボルン）』と同様に、風景映像とテキストの朗読によって進行する作品。映像はモノクロで、岩や雲、海のさざ波、窓から光の差し込む室内の様子、積まれた丸太、誰もいない貨物駅などが映し出される。そこに時折「Aurélia」「Aurélia Steiner 」「200095」といった手書き文字を記録したショットが挟み込まれている。朗読のテキストは、強制収容所で両親を亡くした女性の追憶である。なおデュラスには三作目『オーレリア・シュタイネル（パリ）』の構想もあったようだが、テキストだけが書かれ、映画化は実現しなかった。