ニューヨーク・マンハッタンのアパートで一人暮らしをする老人ハリー。区画整理のために立ち退きを迫られるが、年老いた愛猫トントへの気遣いもあり、ハリーは死に別れた妻と長年過ごした思い出の部屋を出る気になれない。頑固にアパートに居座るハリーだったが、ついに警察沙汰となり、やむなく長男夫婦の家で世話になることになった。しかし同居は失敗し、ハリーは娘に会うためシカゴへ向かおうとするが、空港の手荷物検査で一悶着起こし、交通手段をバスに変更することに。だが、猫を連れてのバス旅行は上手くいかず、ハリーは青い中古車を購入し、その車でシカゴを目指すことにする。家出中の女の子・ジンジャーと道中をともにしたハリーは、若い頃の恋人ジェシーに会うため遠回りしてインディアナの老人ホームに立ち寄る。ジェシーはボケのためにハリーを他人と勘違いしていたが、2人でダンスをし、ハリーは懐かしい一時を味わう。シカゴで書店を経営する娘に会った後、ハリーはコロラドのコミューンに向かう孫ノーマンとジンジャーのために自動車を譲り渡す。そしてヒッチハイクをしながらロサンゼルスに住む次男の元を訪れるのだが、一見羽振りのよさそうな次男は、仕事と妻子を失って精神的に追い詰められていた…。 老紳士ハリーと茶トラの老猫トントのアメリカ大陸横断の旅を描いたロード・ムービー。高齢化社会やジェネレーション・ギャップ、家族間のさまざまな問題を、ウィットに富んだ会話と細やかな演出で綴り、爽やかな感動を寄越す。

作品キーワード：モーテル，ドライブイン，ラスベガス，カジノ，留置所，インディアン，砂浜，海辺