映画大学在学中に製作した『身分証明書』に引き続き、スコリモフスキ監督自らが演じるアンジェイ・レシュチツを主人公に据えた続編的作品。 工科大学時代に放校処分を受けたアンジェイは、兵役後は定職にも就かず、いかさまボクサーとして各地を転々としていた。30歳の誕生日を目前に控えたある日、地方都市の駅で大学時代の知り合いであるテレサと偶然再会したアンジェイは、彼女が面接に向かうという工場まで同行することにした。テレサはエンジニアとして採用され住居まで与えられた。一方、かつてボクシング・トレーナーであったロガラに再会したアンジェイは、ボクサーとしての経験がありながら、勧められるがまま工場で開催される初心者向けの試合に出場することになった。その後、工場の研究室でテレサの仕事ぶりを見たアンジェイは、彼女の中に人間的な脆さを感じ取る。実は、大学時代にアンジェイを放校処分に追いやったのは、当時スターリン主義者であったテレサだったのだ…。

作品キーワード：体重計，ヒッチハイク，レストラン，腕時計，トランジスタ・ラジオ，不戦勝