原題の意味は「来た、見た」。第二次世界大戦中の1941～44年の間、ドイツの占領下にあった白ロシア（現ベラルーシ共和国）の628の村では占領軍による大規模な住民虐殺が行われた。本作は当時の記録を基に、白ロシアの村に住む一人の少年の目を通してその壮絶な出来事を描く。 1943年。白ロシアの村に住む少年フリョーラはパルチザン部隊に参加しており、部隊と共に森で生活していた。ある日、本隊の留守中に突然ファシスト降下部隊がキャンプに現れ、彼は部隊長に想いを寄せる少女グラーシャと共にそこから逃れた。その後、彼女を実家に匿うために一旦故郷の村へ戻ることにしたが、そこにはドイツ軍によって殺された住民の死体が転がり、彼の家では母と妹が殺されていた。ふたりは別の村へと向かうが、その村では人々がドイツ軍によって集められ、今まさに処刑されようとしていた。兵士は村人を建物に押込めると火を放ち、辺りには村人たちの断末魔の叫びと兵士たちの笑い声が響き渡った。そんな中、ついにフリョーラもドイツ軍に捕えられてしまうが、混乱の中奇跡的に生き延びる。しかし極限の恐怖を目の当たりにした彼の顔には老人のような深い皺が現れ、髪は真っ白になってしまった。 1985年モスクワ国際映画祭金賞受賞。