吸血鬼(ヴァンパイア)(ボローニャ復元版)
The Strange Adventure of David Gray / Vampyr - Die seltsame geschichte des Allan Gray (Vampyr - Der traum des Allan Grey)
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ひなびた村を訪れたアラン・グレイは、とある宿に泊まることにした。そこにはただならぬ気配が漂い、不可思議な人々が徘徊していた。その夜、アランは見知らぬ老人から、不可解なメッセージと「死後開封のこと」と但し書きされた小包みを受け取る。そこには吸血鬼に関する情報と、その退治の仕方がしたためられていた。翌日、彼を誘うような“影”を追って霧の中を彷徨っていたアランは、一軒の館にたどり着く。そこには、昨夜現れた老人が娘二人と使用人夫婦とともに暮らしており、娘の一人は吸血鬼の呪いにかかって床に臥していた。アランは、彼らを救うために邪悪の根源である吸血鬼マルグリートと対峙することになる…。 トーキーでありながらセリフを拒み、ドライヤー監督は独自の大胆な前衛的カメラワーク、音楽、効果音と字幕で怪奇の核心に迫る。人物から離れて動き出す影、死神の象徴、謎めいた身振り…現実とも夢ともつかない映像の中に恐怖と幻想がない交ぜになり、この世ならぬ雰囲気をかもし出している。「吸血鬼」は公開時のタイトル。主演のジュリアン・ウェストが、ニコラス・デ・グンツブルグ男爵名義でプロデュースしている。 「吸血鬼」は、英語・仏語・独語の3ヶ国語版が製作されており、ドライヤーは各国語に応じて俳優のセリフのシーンを3通り撮影した。つまり、戦前には3つの若干異なった「吸血鬼」のフィルムが普及したのである。これらのプリントのうち、第二次世界大戦後に残ったのは仏語版と独語版(一応完結はしているが不完全なもの)と英語版の断片だった。その後、1960年代にグンツブルグ男爵より映画の再公開権を取得したスイスの映画収集家、レイモンド・ローハウワーが独語版を主として各国語版をつなぎ合わせた最長版を公開し、この版が長い間「吸血鬼」のプリントとして最も良く知られる版となった。この他にもデンマーク映画博物館が作成したデンマーク字幕語版なども存在している。本作ボローニャ復元版は、1990年代にボローニャのシネマテークが作成したもので、各国語版をつなぎ合わせたローハウワー版とは異なり、ロシアのゴスフィモフォンドに保存されていたドイツ語版を復元したものである。
作品キーワード:白昼夢,棺,輸血
Staff
カール・テオドール・ドライヤー/Carl Theodor Dreyer 脚本/Screenplay
カール・テオドール・ドライヤー/Carl Theodor Dreyer 監督/Director
カール・テオドール・ドライヤー/Carl Theodor Dreyer 編集/Film Editing
カール・テオドール・ドライヤー/Carl Theodor Dreyer 製作/Producer
ジュリアン・ウェスト/Julian West 製作/Producer
ジョセフ・シェリダン・レ・ファニュ/Joseph Sheridan Le Fanu 原作/Original Work
クリスティン・ユル/Christen Jul 脚本/Screenplay
ルドルフ・マテ/Rudolph Mate 撮影/Cinematography
ルイス・ネー/Louis Nee 撮影/Cinematography
トンカ・タルディ/Tonka Taldy 編集/Film Editing
ヴォルフガング・ツェラー/Wolfgang Zeller 音楽/Music
ハーマン・ウォーム/Herman Warm 美術/Art Direction
Cast
ジュリアン・ウェスト/Julian West 出演/CAST
モーリス・シュッツ/Maurice Schutz 出演/CAST
レナ・マンデル/Rena Mandel 出演/CAST
アンリエット・ジェラール/Hanriette Gerard 出演/CAST
ジェイン・モラ/Jane Mora 出演/CAST
シビル・シュミッツ/Sybille Schmitz 出演/CAST
ヤン・ヒエロニムコ/Jan Hireonimko 出演/CAST