祖母に連れられて、キューバの西・プエルトリコにやってきたスウェーデン人アストリーは、地元の豪族ペドロと恋に落ち、その地で暮らすことになる。二人の間には一人息子も生まれたが、時が経つに連れてペドロは彼女を奴隷のように扱うようになり、彼女は次第に故郷ストックホルムへの想いを募らせるようになる。そんな折、かつて彼女に恋心を抱いていた幼馴染のナーゲル博士が、プエルトリコに蔓延しつつある熱病の研究のためにやって来た。アストリーと再会したナーゲルは、決して幸福そうに見えない彼女を見て、再び抑えていた愛情がこみ上げてくるのだった……。 ダグラス・サーク監督が、戦前のドイツでデトレフ・ジールク名義で制作した作品。原題でもある『ラ・ハバネラ（La Habanera）』という主題歌がよく知られている。