新釈四谷怪談　後篇

The Yotsuya Ghost Story ／ Shinshaku yotsuyakaidan kohen

ジャンル Genre

日本映画/Japanese Film，時代劇（日本映画）/Japanese Period Drama，ホラー/Horror

製作国 Country

日本/Japan

公開年 Release Date

1949

作品分数 Runtime

73 MIN

カラー Color

B&W

オリジナル音声 Language

日本語/Japanese

概要 Additional Information

鶴屋南北による歌舞伎や三遊亭圓朝による落語が有名な怪談「四谷怪談」の映画化。85分の前篇と73分の後篇とに分かれている。「四谷怪談」というと、毒によって髪が抜け顔半分がただれてしまったお岩の亡霊というイメージが端的に示すように、オドロオドロしい怪奇の物語という印象があるが、本作ではそうした側面よりも人間の「心理」に焦点があてられ（ここには、怪談噺に当時流行していた「神経」という語を持ち込むなどして新たな解釈を打ち出した三遊亭圓朝との共通項を見出すこともできるだろう）、お岩の亡霊の正体は伊右衛門の良心が生み出した妄想であるとする独自の解釈をもとに久板栄二郎が脚本を執筆。細やかな心理描写に定評のある日本映画界の巨匠・木下惠介が監督することで、まさに「新釈」と言うべき作品が生み出された。ただし木下は、先述した容姿の崩れたお岩の容貌をきっちりと作中に登場させるなど、これまで語り継がれて来た四谷怪談のイメージも尊重したものに仕上げている。お岩を演じるのは、これが時代劇初主演の田中絹代。お岩とその妹・お袖の二役を演じ分けている。なお「四谷怪談」は、本作以外にも度々映画やドラマなどで映像化が行われてきた。なかでも有名なのは中川信夫監督の『東海道四谷怪談』（1959年）で、本作とはまったく異なるアプローチで「四谷怪談」に挑んだ傑作である。

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