ニューヨークの映画作家ケン・ジェイコブスが、他愛もない遊びに興じたり街をふらついたりする彼の友人たちの姿を捉えた映画作品。滑稽な格好をして鼻を青く塗ったジャック・スミスがバスタブで女性と遊び、人形を弄るシーンから始まり、椅子を傾けて座る女、裏通りで話をする男女、路上にチョークで落書きをする子供たち、スミスが屋上で風船を膨らませたり鏡やビニール袋を使って遊ぶシーンなどが続く。 スタン・ブラッケージは、本作を最初に観た印象は「恐ろしい」というもので、他の観客たちは熱烈に支持する者とブーイングを浴びせる者に二分していたと述懐している。またジョナス・メカスは、『ブロンド・コブラ』（1963年）やジャック・スミスの『燃え上がる生物』（1963年）、ロン・ライスの『シバの女王とアトムマン』（Queen of Sheba Meets the Atom Man、1963年）と併せて、「ニュー・アメリカン・シネマに転機をもたらす映画——ニューヨーク・レアリスト派（"社会現象の"意味と社会的参加を内容に含んだ映画）から、束縛のない新しい自由を獲得した映画へと転換した映画」であると賞賛している（『メカスの映画日記』、フィルムアート社、p.86）。