愛に飢えた孤独な少女が束の間に味わう、ささやかな幸福の時間を描く。 監督はフリー・シネマ運動の代表的存在であるトニー・リチャードソン。下層社会に生きる少女の姿を通し、閉塞的なイギリスの階級社会を痛烈に批判、ロングランヒットとなった。原作は、“怒れる若者たち”世代の一人、シーラ・ディレーニーによる戯曲。ディレーニーは執筆当時18歳の女工であった。 少女ジョーと母親は家賃を踏み倒してアパートからこっそり逃げ出すことになった。引越しばかりのジョーは友達も出来ず、いつも孤独だ。さらに母親は年下の男友達ピーターと再婚することになり、ジョーは母親に捨てられてしまう。孤独に打ちひしがれるジョーは黒人水夫ジミーと愛し合うようになるが、ジミーもまた長い航海へと出発していった。ひとり残されたジョーは靴屋で働き始める。そして客として出会ったホモセクシュアルの青年ジョフリーと同棲生活を始める。二人の間には奇妙な愛情が芽生えるが、ジョーが水夫との間の子供を妊娠していたことが発覚する。自分の父親が精神病者だったこともあり、出産に対して不安を抱くジョー。ジョフリーはそんな彼女を温かく見守る。しかし、そこに男に捨てられたジョーの母親が現われ…。

作品キーワード：母子家庭，貧困，船員，コック，指輪，遊園地，ゆりかご，花火