三重スパイ
Triple agent / Triple agent
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1936年、フランスでは国民議会選挙が行われ、当時台頭してきていたナチス・ドイツへの危機意識から反ファシズムを掲げたフランス人民戦線が勝利。人びとは初の革命に依らない社会主義政権の発足に沸いていた。この映画は、ロシアから亡命し、そのような状況下のパリに暮らすある夫婦の物語である。夫は、ロシア帝政軍の将校フョードル・ヴォローニン。レーニンが率いるボリシェヴィキの十月革命に反対し、白軍として赤軍と戦い、国を追われることになった。そして、反ボリシェヴィキを唱え白軍を支援していたフランスに受け入れられたのである。一方の妻は、ギリシャ人でアマチュア画家のアルシノエ。彼女は政治には無頓着であったが、同年に勃発したスペイン内戦の余波でフランス国内も騒がしくなり、それに伴って夫が家を留守にすることが増えたことで、彼の仕事に疑問を抱き始める。フョードルは妻の問いかけに対して曖昧に答えるだけだったが、ついにある晩、在仏ロシア軍人協会の事務員という表向きの仕事の裏で、諜報員として工作活動を行っていることを告白するのだった。 1937年9月22日にパリで起きたミレル=スコブリン事件(ミレル大将誘拐事件)をモチーフにして、エリック・ロメール監督が自ら脚本を書いた作品である。夫のフョードルにはモデルとなった人物が存在するが、物語はロメールが創作した人物である妻・アルシノエの視点で進行していく。スパイを扱った作品ではあるが、派手なアクション、スペクタクルは無いと言って良い。しかし、ヒョードルが一体どの国・どの立場のスパイなのかを巡るサスペンス描写や、素朴な具象画を描き続けるアルシノエと、同じアパートに住み、キュビズムの抽象画を好む共産主義者の夫婦との対比、さらには30年代のテレビ番組を作中に埋め込んでいく構成など、数多くのスリリングな仕掛けが施されている。
作品キーワード:社会主義
Staff
エリック・ロメール/Eric Rohmer 監督/Director
エリック・ロメール/Eric Rohmer 脚本/Screenplay
フランソワーズ・エチュガレー/Francoise Etchegaray 製作/Producer
ジャン=ミシェル・レ/Jean-Michel Rey 製作/Producer
フィリップ・リージョワ/Philippe Liegeois 製作/Producer
ディアーヌ・バラティエ/Diane Baratier 撮影/Cinematography
メアリー・スティーヴン/Mary Stephen 編集/Film Editing
Cast
カテリーナ・ディダスカルー/Katerina Didaskalou 出演/CAST
セルジュ・レンコ/Serge Renko 出演/CAST
シリエル・クレール/Cyrielle Clair 出演/CAST
アマンダ・ラングレ/Amanda Langlet 出演/CAST
エマニュエル・サランジェ/Emmanuel Salinger 出演/CAST
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