映画監督のオリヴァー・ストーンが、第二次世界大戦前夜の1930年代からオバマ政権までのアメリカ現代史に向き合い、独自の視点と豊富な映像資料をもとに「教科書には書かれていない歴史、埋もれてしまった“ヒーロー"」について語るドキュメンタリー・シリーズ。 第五回「アイゼンハワーと核兵器」では、冷戦構造が確定して核開発競争が激化した50年代のアメリカを顧みる。ドワイト・D・アイゼンハワーが大統領となり、フォスター・ダレス国務長官や反共産主義者のポール・ニッツェ、CIA長官アレン・ダレス、FBIのエドガー・フーパーらの手で「力の外交」を展開したアメリカは、第三世界の間で評判を落とし、次第に距離ができていく。共産圏への核兵器使用の検討、軍需産業の隆盛、朝鮮戦争やハンガリー動乱、スエズ動乱、インドシナ戦争など、アメリカがベトナムに軍事介入する伏線が張られていった時代を検証する。 本作の制作にあたっては、アメリカン大学・歴史学科准教授のピーター・カズニックが共同制作者として脚本執筆などを担当。ストーンとカズニックは、ドキュメンタリー制作とあわせて、共著『オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史』（The Untold History of the United States、邦訳は早川書房より2013年に刊行）を発表し、世に問うている。