映画監督のオリヴァー・ストーンが、第二次世界大戦前夜の1930年代からオバマ政権までのアメリカ現代史に向き合い、独自の視点と豊富な映像資料をもとに「教科書には書かれていない歴史、埋もれてしまった“ヒーロー"」について語るドキュメンタリー・シリーズ。 第十回「テロの時代 ブッシュからオバマへ」では、唯一の超大国であったアメリカが直面したテロの脅威を取り上げる。2001年9月11日の同時多発テロ事件を機に、ジョージ・W・ブッシュ大統領は「終わりなき戦い」を掲げ、「愛国法」のもとあらゆる手段でイスラム過激派勢力の封じ込めを画策、イラク戦争やアフガニスタン侵攻にも手を染め「グローバルセキュリティー」をつくりあげようとする。そして、大量破壊兵器の有無をめぐって大義が揺らぎ、威信が失墜したアメリカを立て直すべく、バラク・オバマが大統領に就任する。オリヴァー・ストーン監督は過去のアメリカの軍事・外交戦略の是非を問い、さらに自らの歴史を正当化・美化しているアメリカ国内の状況を批判する。 本作の制作にあたっては、アメリカン大学・歴史学科准教授のピーター・カズニックが共同制作者として脚本執筆などを担当。ストーンとカズニックは、ドキュメンタリー制作とあわせて、共著『オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史』（The Untold History of the United States、邦訳は早川書房より2013年に刊行）を発表し、世に問うている。