かつて「失われた地平線」という英国の小説がヒットしました。西欧人が奥ヒマラヤらしき秘境に辿り着き、そこの不思議な住民と交流するというものでしたが、その桃源郷にはシャングリラという名がつけられていました。チベットのラマ僧の言い伝えによると、この地球にはアガルタといわれる幻の王国があり、ヒマラヤの何処かに地底に通じる入り口があって、アデプト（超越者）のみが行き来することができるというもので、その首都の名前がシャンバラといいます。秘境とは架空であれ事実であれ、どちらも人間が心の中の楽園を求めるシンボルですが、そのような境地には簡単には辿り着けないことにもなっています。苦しい旅ほど人は「美しい時」の思い出を持つことができ、そのような想いがまた歌を生み出す力にもなるものです。（細野晴臣）■カタールの伝承歌、トルコの民族舞踊、レバノンのベリー・ダンス、ベトナムの木琴とドラの合奏、他。

作品キーワード：民族音楽，民謡，竹笛，太鼓，ヴードゥー