エウロパはギリシア神話の中でゼウスに愛されるフェニキアの王女の名です。欧州の名称ヨーロッパ（EUROPE）もこの神話の女性に因んでいます。又一説によるとセム語源の“ereb”にも由来し、それはこの世と地獄にはさまれた暗黒界のことだというのですから、神話の時代には既にヨーロッパの明暗が暗示されていたのかもしれません。善なるキリスト教倫理を基盤とする近代文明の中心として、理性的な「昼の科学」を築き上げたヨーロッパの裏側のダークサイドこそ、放埓で陽気なギリシア神話のカオスやこの巻に豊富に収録されたケルト的妖精の世界だったのです。（細野晴臣）■イギリスのフォーク、ノルウェーの牧歌曲、他。

作品キーワード：民族音楽，民謡，ケルト，吟遊詩人，ハープ