梱包芸術で知られる現代美術家・クリスト＆ジャンヌ＝クロードは、ベルリンの旧帝国議会議事堂（ライヒスターク）を銀色の布で梱包する壮大なプロジェクト「梱包されたライヒスターク、ベルリン、1971-95」を24年もの歳月をかけて完成させた。 まだドイツが東西に分断されていた1971年にこのプロジェクトは構想された。ナチス台頭のきっかけとなった1933年の放火事件、1945年のソ連軍による破壊と修復。ドイツ国民にとって歴史的に深い意味をもつライヒスタークを布で覆うという一大ブロジェクトに議員達の反対は強かったが、クリストとジャンヌ＝クロードの夫妻は、何度もドイツに足を運び、議員達を説得し続けた。そしてベルリンの壁が崩壊した1995年、歴史的なこの年、遂にプロジェクトは実現した。たった2週間だけ「芸術作品」になったライヒスタークは、世界各国から集まった500万人の人々を熱狂させた。 このドキュメンタリーは、彼らのプロジェクトを10数年に渡って記録し続けてきたヒッセン兄弟による公式記録映画である。

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