野菊の如き君なりき

You are like a Wild Chrysanthemum ( She Was Like a Wild Chrysanthemum ) ／ Nogikunogotoki kiminariki

ジャンル Genre

日本映画/Japanese Film

製作国 Country

日本/Japan

公開年 Release Date

1955

作品分数 Runtime

92 MIN

カラー Color

B&W

オリジナル音声 Language

日本語/Japanese

概要 Additional Information

旧家・斎藤家の次男政夫は、数十年ぶりに信州の故郷を訪れて、過去にあった悲しい恋を思い出していた。彼が15歳の時、病弱な母の世話と家事手伝いのために、従姉で二つ年上の民子が住み込みで働くことになった。幼い頃から仲の良かった二人は同じ屋根の下で無邪気に遊ぶが、周囲の人々の目を気にした母親は、もう子供ではないのだからと二人を諭す。しかしそのことがきっかけで、政夫と民子は互いを異性として意識するようになるのだった……。伊藤佐千夫の『野菊の墓』（1906年）を原作として、木下惠介が監督した作品。木下はほぼ全篇を占める回想シーンの撮影において、レンズの前に穴を開けた白紙を置くことで画面の周囲に楕円形のボカシを入れ、まるで古い写真帳のような、幻想的かつノスタルジックな映像をつくりあげている。また、作中数カ所に伊藤左千夫が詠んだ短歌のテロップを挿入するなど、実験的な試みが為された。本作は公開時、大ヒットを記録。伊藤はそれまで長塚節らと共に正岡子規に師事した歌人として知られていたが、本作の公開以降は『野菊の墓』を書いた小説家としても多くのひとにその名が記憶されることとなった。

スタッフ Staff