シュンが7歳の時、父が死ぬと母は再婚して彼を一人残して家を出て行った。救護院に入ったシュンは彫金師の大田垣夫妻に引き取られ、今は大田垣の弟子として働いている。ある日、シュンは集団就職で上京し、今は生活のためにヌードモデルをしている少女ナナミに出会う。二人は安ホテルに入り互いの生い立ちを語り合ったが、シュンは始めての経験に当惑しナナミを抱く事ができなかった。それでも、孤独だったシュンにとってナナミは特別な存在となった。シュンにはもう一人、モミという幼い少女の友だちがいた。公園でいつものように二人で遊んでいると、シュンはそれを見ていた男に変態扱いされ、精神病院で催眠療法を受けることになってしまう。そして、催眠療法の最中シュンの口から飛び出したのは、養父に犯されたというショッキングな思い出だった。一方、ナナミにはシュンの知らないもう一つの顔があった…。 素人俳優を起用した即興的な演出と、インタビュー、8ミリ映画、隠し撮りといった手法によって、思春期の若者たち生の危うさと儚さを浮き彫りにした異色作。