花咲く港
The Blossoming Port / Hanasaku minato
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舞台は南九州にある港町(原作では甑島)。かつて、この町に造船所を造ろうとしてやって来た渡瀬という男がいた。不景気も影響してその計画は頓挫するが、渡瀬はその豪胆な性格のため、町の人びとから尊敬の眼差しを向けられていた。しかしある日彼はふらりと南方へと旅だってしまい、人びとも次第に彼のことを忘れていった。それから15年。港町に、渡瀬の遺児だと名のる二人の男が現れる。彼らは実はペテン師で、渡瀬の遺児だと偽って造船所再開の計画で一儲けしようと企み、互いに抜け駆けしてこの町に来たのだが、そこで見事に鉢合わせしてしまったのだ。彼らはやむを得ず儲けを山分けにする協定を結び、町の人びとには自分たちは兄弟なのだと誤摩化して仕事に取りかかる。しかし元来人の好い彼らは、歓迎してくれる町の人びとの善良さや純粋さに触れて、また予想を超えた大金を手にすることになり、申し訳なく、心細い気持ちになってくる。そんな折、大東亜戦争が勃発。造船所再開に向けて株式を集めていた二人のペテン師と町の人びとも、対応を迫られるのであった。 1933年に松竹蒲田の現像部に入社後、撮影部を経て、巨匠・島津保二郎に見出されて監督部へと転入した木下惠介が制作した、初めての監督作品である。原作は劇作家・演出家の菊田一夫による同名戯曲で、ロケは天草と浜松で行われた。印象に残る寂れた村の風景描写や、スクリーン・プロセス(あらかじめ撮影しておいた風景映像をスタジオ内のスクリーンに投影し、その前で俳優が演技をする撮影法)を巧みに利用した回想シーンの演出によって、新人監督ながらその手腕が評価され、同年にデビューした黒澤明と共に大きな注目を集めた。
作品キーワード:プロセス・ショット,トンネル,太平洋戦争
Staff
木下 惠介/Keisuke Kinoshita 演出/Director
木下 惠介/Keisuke Kinoshita 監督/Director
菊田 一夫/Kazuo Kikuta 原作/Original Work
津路 嘉郎/Yoshiro Tsuji 脚色/Adapted Screenplay
楠田 浩之/Hiroshi Kusuda 撮影/Cinematography
杉原 よ志/Yoshi Sugihara 編集/Film Editing
安倍 盛/Sakari Abe 音楽/Music
本木 勇/Isamu Motoki 美術/Art Direction
Cast
小沢 栄太郎/Eitaro Ozawa 出演/CAST
上原 謙/Ken Uehara 出演/CAST
水戸 光子/Mitsuko Mito 出演/CAST
笠 智衆/Chishu Ryu 出演/CAST
東野 英治郎/Eijiro Tono 出演/CAST
坂本 武/Takeshi Sakamoto 出演/CAST
半澤 洋介/Yosuke Hanzawa 出演/CAST
槇 芙佐子/Fusako Maki 出演/CAST
東山 千栄子/Chieko Higashiyama 出演/CAST
村瀬 幸子/Sachiko Murase 出演/CAST
河原 侃ニ/Kanji Kawahara 出演/CAST