1839年、スペイン人のルイズとモンテスに奴隷として買われた53人の黒人たちが、嵐に乗じてアミスタッド号の船上で反乱を起こした。故郷の村で英雄視されていた男ハンケが鉄の首枷を外して先陣を切り、次々と乗組員たちを殺害。船を乗っ取ることに成功する。しかし、舵取り役として生かしておいたルイズとモンテスに騙された彼らが辿り着いた先は、故郷のアフリカではなくアメリカであった。上陸後すぐに投獄されてしまった黒人たちは殺人罪で起訴され、牢獄に入れられる。スペインの女王はアミスタッド号が自国船籍であることから積荷の返還を要求し、ルイズとモンテスは奴隷の所有権を主張。船を捕らえたことへの謝礼を求めるアメリカ人将校も登場し、各々が自らの利害をする中、ようやく黒人たちに味方する者が現れる。奴隷解放論者のタパンとジョッドソンだ。彼らは元大統領のジョン・クインシー・アダムスや若い弁護士ボールドウィンの助けを借りて、黒人たちを解放すべく運動を展開していく。次の選挙で奴隷制支持の南部の票を得たい現職大統領ヴァン・ビューレンの妨害に遭いながらも、彼らは黒人たちの自由を求める闘いを繰り広げるのであった。 本作は、『アミスタッドⅠ&Ⅱ』という書籍から1839年の「アミスタッド号事件」を知ったプロデューサーのデビー・アレンが、10年に渡って温めていた念願の企画である。彼女は『シンドラーのリスト』でホロコーストを通じて人間の尊厳と自由を描いたスティーヴン・スピルバーグに監督を依頼、彼が設立した映画会社ドリームワークスでの監督第一作となった。

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