一人の男が抱いた「観念」が、美しい裸の少女の姿として具現化する。保守勢力は少女に服を着せ、服従させようと試みる。「観念」の創造主たる男は抹殺されるが、その「観念」は永遠に生き続けるだろう…。 1927年にドイツで出版されたベルギーの版画家フランス・マセレールの社会主義プロパガンダのブック・イラストレーションを基にした切り紙アニメーション作品。出版社からの依頼を受け、バルトーシュが独力で制作した。切り紙で作られた人物の背後から照明を当て、土台のガラス版に薄墨や石鹸を吹き付けたり、多重露出を多用することによって独特の雰囲気を生み出している。完成された作品はもはや原作の特徴をほとんど残していない。 音楽は電子オルガンの一種、オンド・マルトノで演奏されている。本作は電子楽器が初めて使用されたフィルム作品ともいわれている。

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