叔父の敵を討つため、そして誘拐されたおそでを救うため、小天狗を追って山へと向かった団子兵衛と忠犬・ちんころ平々。小天狗の集団や大天狗との激しい戦いが繰り広げられる。 大藤作品の中でも、アメリカの影響が顕著となった作品といえるだろう。主人公の団子兵衛はベティ・ブープそっくりで、ギャグもアメリカ的。だが、それにも増して印象深いのは、アニメーション技法の革新。冒頭のちんころ平々の夜回りシーンでは、背景が動画となっており、奥行きのある画面を得ている。アニメ評論家のおかだえみこ氏の解説によれば、おそらく日本最初の背景動画ということ。また、大立ち廻りを林の影越しに捉えたパン撮影や、再び背景動画を用いて描かれた大天狗からの逃走シーンも迫力満点である。