「東京音頭」のレコードに合わせて踊るお寺の和尚と小僧。蓄音機から流れ出る楽しい音色は山を越え、狸の里までたどり着く。そこでは、クモの糸によって集められた音符たちが、狸たちの蓄音機へと流し込まれ、再び「東京音頭」の音楽を奏でるのだった。狸たちはその音楽に合わせ楽しく踊るが、寺でレコードが止められると、狸たちの蓄音機もやはり音楽が止んでしまうのだった。子狸のポン吉は意を決し、寺の蓄音機を盗み出すため、“あのてこのて箱”を使って人間に大変身。空高く舞い上がり、雲の上をスキーで滑走してあっという間に寺に忍び込む。ところが、蓄音機を奪って逃げ出す途中で、ポン吉は寺のおばあさんに捕まってしまい、狸汁にされそうになる。ポン吉の危機を察し、寺へと急行した子狸たちは、見事な変身で寺の人間たちに立ち向かう。 狸たちの変化には、まさにアニメーションならではの楽しさが満ち溢れている。歌舞伎のように見得を切るキャラクターの動作も華やかで楽しい。