深夜の路上レースで掛け金をせしめた“ドライバー”と相棒の“メカニック”はロサンゼルスを飛び出した。彼らが乗るのはレース用にチューンアップしたおんぼろのセダン、1955年型シェビー（シボレー）だ。途中で拾った“ガール”を後部座席に乗せ、彼らは田舎者をカモにして賭けレースを続けながらフリーウェイを南東に向かう。その旅の途中、オレンジ色のポンティアックに乗った気障な中年男“G･T･O”と、お互いの車を賭けて長距離レースをすることになる。ゴールのワシントンD.C.に向けて、2台の車が疾走する…。 原題は2車線のアスファルト道路を意味する。主演を務めたビーチボーイズのデニス・ウィルソン、シンガーソングライターのジェームズ・テイラーの楽曲は劇中で全く使用されていない。 アメリカン・ニューシネマの台頭以降、苦境に立たされたハリウッドメジャーのユニバーサルが、『さすらいのカウボーイ』『ラストムービー』とともに若者向けに制作したロード・ムービーであるが、重役による判断によってスタジオ側の協力が得られず、公開告知もないまま封切られ興行的な惨敗を喫した。その後の主演2人の死－デニス・ウィルソンの海での溺死、ローリー・バードの自殺、そしてジェームズ・テイラーの精神病院の入院歴などから、呪われた映画とも称される。 カーレースに情熱を傾ける主人公の青年、そしてフィルムが燃えるラストシーンはイエジー・スコリモフスキの『出発』を彷彿とさせる。

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