1980年代の中頃。ユダヤ人の作家サロメは、映画化されることが決まった彼女の自伝的小説についてのインタビューを受け、自らの過去を回想する——。彼女は第二次世界大戦中、密告によってナチスのゲシュタポ（秘密国家警察）に追われ、一家でパリからリヨンの田舎町へ逃れ、父の友人であるリヴィエールの屋敷に匿われて暮らしていた。リヴィエール家の長男ヴァンサンはサロメに恋をし、やがてサロメも彼のことを愛するようになる。しかし幸福な日々もつかの間、一家はまたしても何者かの密告によって捕らえられ、収容所に送られてしまう。やがて戦争が終わり、一家のうち生き残ったのはサロメだけだった。リヴィエール家に戻ってきた彼女は、密告者を突き止めようとするのだが……。 クロード・ルルーシュ監督が、第二次世界大戦下のフランスを舞台として制作した、あるユダヤ人一家をめぐる愛憎劇。