京都大学カラコラム・ヒンズークシ学術探検隊による1955年のカラコラム山脈探検を記録した映画。製作は日本映画新社による。 日本映画新社のカメラマンが探検隊に同行し、当時まだ珍しかったカラーの35ミリフィルムで撮影を行った。撮影後、記録映画編集の名手・伊勢長之助が構成・編集を行い、1956年6月に東宝の配給によって全国上映されると大ヒットを記録した。 1955年5月15日、京都大学カラコルム・ヒンズークシ学術探検隊の一行12名がパキスタンのカラチに集結した。彼らはそこから遺伝学者木原均博士を中心にアフガニスタン、イランへと向かうヒンズークシ隊7名と、生態学者の今西錦司博士を中心にパキスタン北方のカラコルム山系を踏査するカラコルム隊5名に分れて出発した。さらに探検隊のメンバーは調査テーマに応じて植物班、地質班、人類班のいずれかを分担しそれぞれの立場でフィールド調査を行った。ヒンズークシ隊は木原博士の学説に基づいてクエッタで小麦の祖先のひとつ“タルホコムギ”を探し出し、その後国境を越えてアフガニスタンへと向かうと、遺跡や大石仏、寺院などの調査を行う。一方カラコルム隊は、インダス河を遡って雪渓を進み、ヒマラヤ造山帯の構造を調べながら最後にバルトロ氷河へと到着する。