映像作家・詩人のジョナス・メカスが、1949年に故郷のリトアニアを離れてアメリカに亡命、ニューヨークでの生活が始まってから撮り始めた映像を、後になって編集した映画作品。メカスが亡命者として「生まれた国」を失ってから「新たな国」を獲得するまでの過程の記録であり、彼と同じくリトアニアから亡命してきた難民たちの姿も捉えられている。制作年順に6巻のリールが映し出される構成となっており、各リールの冒頭には「リール1」「リール2」とテロップが挿入されている。リール毎の映像の変遷を通して見えてくるのは、メカスとニューヨークという場所との関係ばかりではなく、彼が手持ちカメラを用いた独自の映像表現を形成していくプロセスである。なおメカスはこの時期、彼の弟アドルファスと共に『ロスト・ロスト・ロスト』と題する映画を制作する構想を持っており、そのタイトルが本作に転用されることとなった。 （※）作品タイトルは「メカス日本日記の会」ホームページにおける邦題を使用しています。

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