電化目前の国鉄常磐線。上野～水戸間を運行するC62型蒸気機関車が牽引する急行「みちのく」を中心に、蒸気機関車で働く機関士と助士の肉体・精神労働をダイナミックな映像で描く。 本作は国鉄戦後五大事故のひとつである常磐線列車衝突事故「三河島事故」をきっかけに、国鉄が鉄道の安全性をPRする為に企画し、岩波映画製作所が製作したものである。完成後、国鉄は機関士達の労働実態が描かれていたため公開を見合わせたが、映画が国内で数々の賞を受賞したことから公開に踏み切った。 監督は「水俣」シリーズで知られる土本典昭。土本はシナリオを書くにあたり実際に事故のあった常磐線で2日間蒸気機関車の釜たきを体験したという。第18回芸術祭文部大臣賞、教育映画祭一般教養映画最高賞、ベルリン映画青年文化賞等国内外の映画祭にて受賞。