ロサンゼルス、ニューヨーク、パリ、ローマ、ヘルシンキのそれぞれ同時刻、タクシー・ドライバーが乗客との間で繰り広げる出来事を描く。全編、各都市の夜景とタクシーの車内の映像だけで構成されている。 ロサンゼルス（19：07）…若い女性運転手のコーキーが、ハリウッドの大物キャスティング・エージェントの女性を乗せた。彼女はコーキーに映画に出てみないかと誘うが、コーキーは整備工になる夢があるからと断る。 ニューヨーク（22：07）…今日が初仕事というドイツからの移民の初老の運転手が、若い黒人男性ヨーヨーを乗せた。英語が下手で道もよく知らない運転手にイライラするヨーヨーだったが、かつて道化師をしていたという運転手の話を聞くうちに打ち解けていく。 パリ（4：07）…酔っ払いの客を追い出したコートジボアール人運転手のイザークのタクシーに、盲目の女性が乗車した。女性は車が走り出すと、道順が違うと指摘する。 ローマ（04：07）…おしゃべりな運転手ジーノが神父を乗せる。ジーノは神父を相手に勝手に懺悔を始めるが、その破廉恥な内容に神父は心臓発作を起こしてしまう。 ヘルシンキ（5：07）…凍てつく街で、運転手ミカは酔っ払った二人の男を乗せる。彼らは自分たちの不運をミカに語るが、ミカは妻との間に授かった赤ん坊の死を語る。二人はその話に涙し、車を降りていく。