昭和43年に「ウルトラセブン」が終了した後、円谷プロダクションは「空想特撮シリーズ」から方向を転換し、円谷プロ＝怪獣特撮という世間の常識を覆してカブリ物・巨大ヒーローが登場しない新番組「怪奇大作戦」シリーズを製作した。主人公は警察ではない民間組織である科学捜査研究所（SRI）のメンバーで、警察が解決できない怪事件が発生すると、警察の依頼を受けて科学捜査を行ない解決する、というのが基本構成である。 高価な宝石や仏像を盗み出すと予告し、確実に実行するキングアラジンという怪盗が現れた。警察がどんなに厳重な警戒網を敷いても、キングアラジンは警官の目の前で壁や地面にめり込んで姿を消してしまうのである。あるときキングアラジンは，舞踏「鬼玉」発表会に貸し出される時価1億5千万円の水晶玉を盗むと予告してきた。町田警部はSRIに協力を要請し、犯行予告現場で待ち伏せをしたが、警戒網を脱出したキングアラジンは用意したセスナ機に乗り込み、さらにトリックを使って空中脱出を図り逃亡する。 しかし、SRIの的矢所長はキングアラジンがかつて天才奇術師として名を馳せたが、10年前に箱抜けに失敗して失踪した「一鉄斉春光」であることを思い出す。