昭和43年に「ウルトラセブン」が終了した後、円谷プロダクションは「空想特撮シリーズ」から方向を転換し、円谷プロ＝怪獣特撮という世間の常識を覆してカブリ物・巨大ヒーローが登場しない新番組「怪奇大作戦」シリーズを製作した。主人公は警察ではない民間組織である科学捜査研究所（SRI）のメンバーで、警察が解決できない怪事件が発生すると、警察の依頼を受けて科学捜査を行ない解決する、というのが基本構成である。 妻の澄子を伴い伊豆の下田に訪れた田原明夫は、海岸で男性の水死体を目撃した。それ以降、何故かその男の幻覚に悩まされるようになる。水死体は警視庁の警部補だったが、田原の前に現れては「お前に殺された…苦しい」と言い責めるのだ。田原は現場に残された指紋を証拠として、この警部補殺しで逮捕されてしまうが脱走し、SRIに「この世に同じ指紋を持つものが二人居ることを証明して欲しい」と救いを求めた。田原が潜伏する伊豆に急行したSRIの的矢所長と三沢は、田原に自首を勧めるが、彼は無実を主張して再び逃走してしまう…。