エミール・ゾラによる自然主義作家文学の名作「居酒屋」を、「禁じられた遊び」のルネ・クレマンが映画化した作品。 19世紀半ば、ナポレオン3世統治下のパリの裏町で貧困にあえぎながら生きる人々を冷徹な眼差しで描く。 ジェルヴェーズは14歳の時、夫と子供とともにパリへ移り住んだ。女遊びが絶えない夫・ランチェはやがて向かいに住む女性と姿を消すが、やがて彼女は実直な屋根職人のクポーに見染められ結婚する。しかしクポーは屋根から落ちて大けがをしたことで自暴自棄になり、やがて酒びたりになる。そんな彼女の生活を助けたのは、友人の鍛冶屋・グージェだった。彼女はグージェに心の安らぎを見出すが、そんな折にランチェが家に戻ってくる。やがてグージェが労働運動の為に逮捕され、希望を失った彼女はランチェの誘いに身をゆだねた。やがて服役を終えたグージェが彼女のもとへ帰ってくるが、ランチェとの関係を知ると絶望して姿を消してしまう。ジェルヴェーズはすべての希望を失い、居酒屋に入り浸り絶望のうちに死んでゆく。