木の部屋
Wooden Room
Genre
Country
Release Date
Runtime
Color
Language
Additional
Information
ネクロリアリズムの複数の映画作品の間には、同一のテーマ、概念、ストーリーなどが繰り返し登場することが特徴として挙げられる。「木の部屋」では、「銀の頭」(1998年)でも登場する“善良なネズミ”すなわち森で生きる生物と自然の間で理想的な相互関係を保っている齧歯目・ビーバーが共通のテーマとなっている。映画の冒頭は、ある映画監督が田舎にある家でビーバーの生態についての教育映画を見ているところから始まる。この映画にはビーバーのように森の中で生物間の理想的な相互関係を保って暮らしている人間が登場する。これはネクロリアリズム的な転位と呼んでもよい。彼ら、つまりネクロリアリズム的な転位は、監督を力ではなく絶対的な他者性で攻撃する。常識の世界は崩壊し、監督は無意味な自殺を試みる。作品の中に現れる土の中の鈴もまた、音を鳴らすことのできない無意味さを象徴している。 【ユフィット監督と“ネクロリアリズム”について】ネクロは死を、リアリズムは現実を意味する。ネクロリアリズムすなわち死・現実は「現在ある現実」と現在がすでに消滅した「死」という二つの対立する概念を併せ持っている。これはロシア映画における一つのムーブメントである。死は過去のものとしてだけでなく、人間に絶え間なくついてまわるものであり、また人間のそばにあるものである。ネクロリアリズムの映画は死を芸術的に描写した作品である。
Staff
イェヴゲニ・ユフィット/Yevgeniy Yufit 監督/Director
イェヴゲニ・ユフィット/Yevgeniy Yufit 脚本/Screenplay
ウラジミル・マスロウ/Vladimir Maslov 脚本/Screenplay
ウラジミル・マスロウ/Vladimir Maslov 監督/Director
MATERIALS CONTAINING TITLE