飯村隆彦がニューヨーク滞在中に制作した、カメラの介在しない「抽象映画」。光を通さないフィルムによる黒い画面（クロミ）と透明なフィルムによる白い画面（スヌケ）に加えて、クロミに針で傷を付け黒地に白い線が入る画面、そしてスヌケに黒い線を引いた画面という、四種類のフィルムだけで構成されている。その四つの画面は、厳密に設定された秒数、可能な順列組み合わせに基づいて並べられ、スクリーンに映し出されることになる。また音についても、フィルムのサウンド・トラックをスクラッチ（傷をつけること）したノイズ音がある秩序に基づいて配置され、映像と同期している。これらの組み合わせによって、時間としては同じ長さであるフィルムとフィルムの「間 Intervals」に、様々な異なる様相、リズムが生まれてくるのである。 なお本作は、同様に「間」をテーマとした作品である『間：竜安寺石庭の時／空間』やそのメイキング、『MA:The Stones Have Moved』などと共に、DVD「MA／間,A Japanese Concept」に収録されている。